ロックバンドが主催するフェスに出たい

――現時点で「“BACK TO AGF” TOUR 2025」に向けての曲作りも進めているのでしょうか。

Novel Core ツアーの前にリリースしたい曲が1曲あって、その制作が始まります。クマさんとJUGEMの3人で一緒に作るんですが、このタイミングで今作るべきだなと思っていて。原点回帰というタイミングもありますし、ツアーが始まる前は世間でいう新生活のタイミングで、それぞれ環境が変わって、出会いと別れがあって、新しい一歩を踏み出す瞬間に、僕たちのチームも今何かと戦っているメンバーしかいないので、今書くべき内容で、今歌うべきという曲をツアーまでに仕上げたいです。

――常に曲作りをしていますよね。

Novel Core ずーっと作っています(笑)。曲を作っていない時期が本当にないというか。去年を振り返っても、リリースした曲、年が明けてからCDになってアリーナで売ったものもありますし、実は今年の末に出る予定のものも去年の中頃ぐらいから制作がスタートしていて。世に出るかどうか分からないデモも含めると、トータルで1ヶ月に5、6曲は作っていないとおかしいペースで曲を作っていて、今年もそうなりそうです。僕の場合、このタイミングで、こういうことしたいというのが、ぼんやりとあることが多くて。JUGEMを制作に入れたのも、当分は言えないですが、別の意味合いもあったりして。いろいろやりたいことが他にもありますので楽しみにしてください。

――今年はフェスに関して、どういうスタンスを考えていますか。

Novel Core 去年はたくさんのフェスに出させてもらって、チャンスをいただきました。今年は単独での公演数を増やす予定で、「“BACK TO AGF” TOUR 2025」以外にも結構な数の単独公演があります。そういう兼ね合いもあって、去年よりはフェスの出演が少なくなるとは思うんですが、ずっとお世話になっているフェス、去年繋がりができたフェス、新しいフェスなど、今年もチャレンジは止めずに、いろんな方向のフェスに出ていきたいなと思っています。ただ今は厳しいフェーズだなと個人的に思っているんですよ。

――厳しいと言うと?

Novel Core 単独公演の規模がでかくなると、どのフェスの主催者からもアリーナアーティストという見られ方をするんですよね。でも僕自身はフェス1年生だし、良くも悪くもBMSGという事務所のパワーもあって、こういう規模まで来てるというのがあります。まだまだ僕たちのことを知らない人はたくさんいるし、地元の小さなライブハウスからスタートしたロックバンドと、今の僕たちの内側にあるマインドは違わなくて。だから多くの人に見てもらいたいし、メインステージじゃなくてもいいし、どんなに小さなステージでもいいから、歌わせてもらえる機会が欲しいというのが正直な気持ちです。ただ、このステージにアリーナアーティストは出られないよねという先方側のハードルが生まれてくるケースが今後あると思うので、今このタイミングが一番フェスへのアプローチが大変な時期なのかなと。突破口は主催者に熱量が伝わるか伝わらないかだと思っているので、今年出演が叶わなかったフェスも含めて、好きなフェスがいっぱいあるので、お客さんとして遊びに行かせてもらって、会場でライブを楽しみながら、主催者の方や出店してる方たちとコミュニケーションをいっぱい取って。「こいつは本気で出たいんだな」というのが伝わるように足を使って、時間が空いてるときはフェスを回るつもりです。

――これまではロック、ヒップホップと、その年ごとに力を入れたいフェスがあったと思うんですが、今年はいかがですか。

Novel Core 全方位です。特定のジャンルに軸足を置くのではなく、どのジャンルでも中途半端にならないというのが今の自分たちの課題でもあるし、誇りでもあります。そのために各ジャンル、各カルチャーにリスペクトを持った状態で活動していきたいので、どんな場所に出ても恥ずかしくない状態にしておきたいですね。強いて挙げるとすると、ロックバンドが主催するフェスには早い段階で出る機会をいただけるように頑張ってアプローチしたいなと思っています。そういうフェスのお客さんたちに、今の自分たちを見てもらったら、どんな反応をするんだろうかと純粋に気になる曲がいっぱいあって。そのときが来たら、こういうパフォーマンスをするために、こういう陣形で行こうというイメージも何となくあります。ただバンドが主催しているフェスって、その人たちに認めてもらうしか方法がないので、ご飯に行って話を聞いてもらったり、自分たちのライブを見に来てもらったりを地道に繰り返して、機会をいただけるように動いていきたいです。

Novel Core

東京都出身、24歳。ラッパー、シンガーソングライター。SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル “BMSG” に第一弾アーティストとして所属。高いラップスキルと繊細な歌唱技術を保有する一方で、決してジャンルに縛られることのない特有のスタイル、等身大で発せられる強いメッセージがファンを集め、過去に発表した全てのアルバム作品が各チャートで日本1位を獲得するなど、その名を確かなものにしてきた。
Zeppを中心とした大型のライブハウスを周遊する全国ツアーや、日本武道館での単独公演を完全ソールドアウトで成功させ、2月11日には初のアリーナ単独公演を開催。ライブの総合演出をはじめ、衣装のスタイリングからアートワークのデザイン / ディレクションに至るまで、全てをNovel Core自身が担当している。
また、ミュージシャン / ディレクターとしての存在感を示す一方で、FERRAGAMOやETROなどのトップメゾンのモデルに起用されるなど、ファッション業界からも注目を集めている。音楽、ファッション、アートワークなど、多種多様なカルチャーへの愛とそれを裏付ける実力で、Z世代を牽引する新世代アーティスト。

PHOTOGRAPHER:YASUKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI