本当の親友関係だからこそ出せた親密な空気感

――綱さんとはプライベートでも親交があるんですよね。

樋口 初めて会ったのが2021年で、19歳の頃からの付き合いなので、もう4年になります。ほぼ毎日いたときもあるし、僕の24年間の人生の中でも一番仲が良いと思える存在です。この年齢になって、しかもこの業界で、親友と呼べる人との出会いがあると思っていなかったので貴重です。そして、お互いに少しずつ頑張って、こうして映画で共演できたのは初めてだったので、思い入れのある作品だし、一生忘れないと思います。

――深い関係性だからこそ出せた親密な空気感という面もありますか。

樋口 絶対にあると思います。無理に作ったものではなく、本当の親友関係だからこそ、もしかしたら原作の伊藤と田口よりも深いかもしれません。樋口幸平と綱啓永が演じたからこそ生まれる田口と伊藤の関係があるし、その空気感は画面越しからも伝わると思います。もしも他の俳優さんが演じていたら、また違った田口と伊藤ができていたでしょうね。

――伊藤と田口のシーンはコミカルな要素が満載ですが、とてもスタイリッシュなカットも多いですよね。

樋口 かっこよく撮っていただきました。阪元監督の作品は、『ベイビーわるきゅーれ』シリーズもそうですが、コメディ要素がありつつ、めちゃくちゃかっこいいシーンも多いんですよね。引き締まった画面の存在感がすごいですし、忘れられないシーンばかりです。

――なぜ綱さんとは公私ともに仲良くなれたと思いますか。

樋口 波長が合ったというのもありますし、誰かにされた嫌なことも共通しているのかなと。綱くんは相手のことを考えて動く人だから、尊敬できるし、信頼もしています。一緒にいて、とんでもなく面白くて、人としても厚みがあり、飾らないし、いつも自然体です。俳優としても結果を出していて、人生を楽しみながらキャリアを積んでいくスタイルは見習いたいと思います。こうして『ネムルバカ』で共演することができましたが、これからも二人で色んなことができるんじゃないかというワクワク感もあります。

――映画で特に印象的なシーンは?

樋口 今回はアクションがメインの作品ではないですが、ちょっとしたアクション要素もあって。僕が跳び蹴りされるシーンや、田口が殴られるシーンは印象的です。何より4人の空気感を見てほしいですね。僕はクランクインが遅かったんですけど、久保(史緒里)さんも平(祐奈)さんも、すごく仲良くしていただきました。

――最初に4人が撮影で顔合わせをしたのは、どのシーンですか。

樋口 僕がクランクインして最初に撮影したのは綱くんとの喫煙所のシーンでしたが、初めて4人で撮影したシーンはファミレスでした。

――映画の流れと同じだったんですね。

樋口 それまでお二人とは読み合わせでしかお会いしてなくて、特に細かい段取りも決めていなかったのですが、自然な雰囲気で撮影することができました。