全ての人に選択肢があって、それが尊い
――『BEST FRUIT BOX』の中で、特にお気に入りの曲、推し曲を教えてください。
鈴木 原点の『Seven Fruits』は僕たちの初めてのオリジナル曲で、思い出が詰まっています。東京ドームシティホールで披露した時も、特別な曲だから、みんなの表情も他の曲とは違う様に感じられました。『Seven Fruits』には僕たちのまだ未熟な時の想いも載っていて、この曲を5年、10年ともっともっと育てて行きたいなと思いました。例えばフルファミ(THE SUPER FRUITファンの総称)と一緒に歌うとか、想いやエモさをもっと伝えていきたいなと思う楽曲です。
堀内 『馬鹿ばっか』です。『チグハグ』の次に出た曲で、『チグハグ』はすごくキャッチーで中毒性のある楽曲で僕たちの軸が出来たと思います。でも、カッコいい系の曲をやってみたいという挑戦もあり、みんなで話し合って作っていただいたのが『馬鹿ばっか』です。対バンイベントなどで披露すると「こういう曲もあるんだ!」と知ってもらえることもあって。フランスでライブしたときも、『馬鹿ばっか』のロックテイストとダンスの振付が特徴的で「クレイジーダンス!最高!」ってすごく喜んで頂けました。
松本 僕は『どーぱみんみん あどれなりんりん』です。THE SUPER FRUITの一人一人の個性をすごく活かしている楽曲で、「おやつは牛丼大盛り」とか、メンバーの好きなものが歌詞に入っていたりして。セリフの様に歌う箇所もあって、僕自身、「もっとこの部分をしっかり伝えたいな」ということも考えて、工夫して歌っていました。あと、47都道府県をこの曲で回ったという思い出も強くて、ファイナルが近づくにつれて「もっとやりたい!」と思ったんです。フルファミが育ててくれた大好きな楽曲です。
星野 『Juicy Smile』が特にお気に入りです。懐メロの昭和歌謡の様なアイドルソングみたいな感じで、幅広い年代に愛される楽曲だと思います。もともと女性アイドル用に作られた楽曲を、THE SUPER FRUIT用に落とし込んでいただいた楽曲で、仮歌も女性の声だったので、たくさん聴いて練習したのですがやっぱり難しくて苦労しました。男性が聞いても女性が聞いても、その曲の主人公になれる楽曲だなと感じました。この曲をいただいた時に、「この曲は、晴海に絶対お願いしたい」と、チーフマネージャーさんから言っていただいたので、責任を持ってやろうと決意した大切な楽曲です。
阿部 『青い果実』です。「完璧じゃなくたって、未完成だって、今を楽しんだもん勝ちだし、今しかないこの瞬間を生きよう」といったメッセージが含まれています。この楽曲を頂いた時、心が折れそうになる日もありました。レコーディングもなかなか納得行かず、スタッフさんにお願いして追加でレコーディングさせてもらったり。その当時の自分の未完成さ、未熟さ、青臭さと楽曲の歌詞が重なっていて、その時の気持ちも思い出しながら、たくさんの感情をこめて歌っています。
小田 『チグハグ』です。たくさんの夢を叶えてくれた楽曲です。僕の記憶が正しければ、デビュー曲は『青い果実』か『チグハグ』で迷っていたそうなのです。『チグハグ』になったからこそ起きた出来事がたくさんあって、そういう運にも恵まれたな、運を引き寄せてくれた楽曲だなと思っています。そして『青い果実』は、グループの成長と共に色々と悩んだりした事もあった時に出せた曲でいろんなことを経験したタイミングに歌うことで深みを出せた1曲だったと感じています。この2曲には似た運命を感じるというか、この2曲で悩んでいたということがすごく分かりますし、どちらとも出会えて良かったなと心から思います。
田倉 これまでのインタビューでも「好きな曲は?」と聞かれて色々な回答をしてきましたが、僕の中で『だいぶダイバーシティ』が大好きな楽曲です。もっともっとたくさんの方にこの楽曲を届けたくて。『だいぶダイバーシティ』は1億人いたら1億人に寄り添える楽曲で、僕たちの伝えたかったことを分かりやすく、シンプルに、優しく届けることができるので、大切に育ててきたいなと思います。
――素晴らしい楽曲ですよね。他にも『だいぶダイバーシティ』で好きな所はありますか?
阿部 「嫌なことは断ってみよう」とか「背伸びしてイノベーション」という歌詞が僕はすごく好きです。嫌なことを断るのにも勇気がいりますし、自分の正直な意見を貫き通すことは簡単なことではないけど、頑張って背伸びしてみたら、自分の中で革命が始まるというか。背伸びしてイノベーションを起こして、それがやがてダイバーシティにつながり、自分だけの個性に繋がっていくという広がりが素敵だなと思いました。