一つひとつの現場を終えるごとにお仕事への思いが強くなっている

――先ほど、以前は物事をはっきり言えなかったというお話がありましたが、それは小さい頃からだったんですか?

松井 小さいときからそうでしたね。引っ込み思案で、兄弟が3人いるんですが、姉と弟がはしゃいでいる中、私は周りから「あれ、いたの?」と言われるほど目立たない、「影」みたいな存在でした。当時のことを知っている人からしたら、私の変化に驚いていると思います。

――上京してからホームシックはありましたか?

松井 ありました。当時は事務所の寮に入っていたんですけど、さくらの頃からのメンバーもいましたし、ニコラの先輩もいたので、みんなと仲良くしながら、支え合って生活していました。ご飯は出たのですが、自分で洗濯などはやらなければいけなかったので、母のありがたみを感じましたね。

――トラウマだったお芝居をやろうと思ったきっかけは何だったんですか?

松井 ドラマのオファーをいただいたんです。話を聞いていくうちに興味が湧いてきて、「やってみたいかも」と思った自分がいたので、それを正直に伝えたら「やってみよっか」ということになりました。

――実際に現場に入っていかがでしたか。

松井 最初の頃は皆さんに迷惑をかけてばかりでつらいこともありましたが、不思議とつらいほうが燃えるというか。特に初出演した映画では毎日怒られて、泣くこともあったんですが、やり切ったときの達成感がすごくて。ただ、ちゃんとお芝居に向き合えるようになるまでは時間がかかりました。もちろん自分なりに頑張っていたのですが、周りのことも含めて作品作りに携わる意識を持てたのは、主演をやらせていただけるようになってからです。それまではキャストの中の一人という感覚でしたが、主演をやるようになると「周りを巻き込んでいかなきゃ」という意識が強くなったんです。そうなるとお芝居が楽しくなって、一つひとつの現場を終えるごとにお仕事への思いが強くなっていく感覚があります。

――10代の頃には、お芝居をメインにしようという気持ちはあったんですか?

松井 まだなかったと思います。この職業は浮き沈みが激しいですし、特に若い頃は「やりたい」と思う自分と「嫌だな」と思う自分の狭間にいて、割と苦しい時間は長かったかもしれません。

――そういう悩みは誰かに相談していましたか?

松井 当時はあまり相談していなくて、一人で悶々と悩んでいましたね。でも最近は悩みすらないです(笑)。それは自分の気持ちを言えるようになったことが大きいと思います。そうすることでストレスも減りましたし、少しずつ自分自身が強くなっている実感があります。

――最後に改めて、『子宮恋愛』の見どころをお聞かせください。

松井 4人それぞれが過去も含めて、複雑な感情を抱き、いろんな思いが交差します。そうした思いが伏線になって、後々一つに繋がっていきます。人間の気持ちは複雑で、それをあらわにしている人もいれば、隠して生きている人もいる。そんな中で4人が交わることで、どう成長していくのかが大きな見どころです。

Information

読売テレビドラマDiVE
『子宮恋愛』
放送時間:木曜日深夜0:59 – 1:29
配信:FODにて独占配信・TVer、ytv MyDo!にて無料見逃し配信

出演:松井愛莉
大貫勇輔 沢村玲(ONE’N ONLY) 吉本実憂 ほか

脚本:山﨑佐保子
監督:樹下直美 / 伊藤彰記 / 保母海里風
原作コミック:原作:佐々江典子「子宮恋愛」(ぶんか社刊)
制作プロダクション:AX-ON
製作:「子宮恋愛」製作員会

苫田まき(松井愛莉)は、ハウスメーカーの営業事務として働く29歳。仕事をテキパキとこなして同僚からも信頼されるまきだが、自分の気持ちを主張できない性格で、結婚して6年が経つ夫にも本音が言えない日々に悩んでいた。ある日、上司からの失礼な質問に愛想笑いしかできないまきを見ていた会社の同僚・山手旭(大貫勇輔)から、「見ていてイライラする」と言われてしまう。だが、冷たく突き放したと思えば、体調を気遣う優しさも見せる山手の距離感に戸惑うまきだが、山手から突然キスされてしまい……。本能的に恋をしてしまった山手と、既婚者としての立場の間でまきの心は大きく揺れ動く。一方、まきにそっけない態度をとる夫・苫田恭一(沢村玲)は、まきの憧れの先輩・寄島みゆみ(吉本実憂)と……?

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松井愛莉

1996年12月26日生まれ、福島県出身。結婚情報誌「ゼクシィ」6代目CMガールに抜擢され、それ以降、モデル、女優と幅広く活躍。 近年の出演作はTBS「西園寺さんは家事をしない」、読売テレビ「シークレット同盟」(主演)、関西テレビ「ブルーバースデー」(主演) 、舞台「Come Blow Your Horn~ボクの独立宣言~」など。

PHOTOGRAPHER:YU TOMONO,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE: KIYOSHI AIBA(eif),STYLIST:ERINA OHAMA
衣装協力
シャツドレス¥69,300ワイドスラックス¥44,000レザーベルト¥55,000(すべてミューラル/ザ・ウォール ショールーム) イヤリング¥24,200(スワロフスキー・ジュエリー/スワロフスキー・ジャパン) ゴールドのイヤーカフ¥27,300ゴールドのリング(左手人差し指)¥231,200シルバーのリング(右手中指)¥48,400(すべてトムウッド/トムウッド 青山店) フラットシューズ¥122,100(セルジオ ロッシ/セルジオ ロッシ カスタマーサービス)

【SHOP LIST】
ザ・ウォール ショールーム:050-3802-5577 www.thewall.co.jp スワロフスキー・ジャパン:0120-10-8700 www.swarovski.com トムウッド:青山店:03-6447-5528 セルジオ ロッシ カスタマーサービス:0570-016600