グループ卒業後の人生を考えて「プロレスラーとしての自分」が現在の道へといざなう

――3月31日に開催されたSKE48 Team KIIの「時間がない」公演が、アイドルのラストステージとなりました。終演後や翌日には、余韻もひとしおだったのでは?

荒井 公演当日は0時近くまで撮影があり、気づいたら日付けが変わっていたんです。そのあと、仲よしのメンバーとご飯を食べたら、翌朝になっていました。1st写真集の情報解禁日だったし、SNSなどの告知で慌ただしかったんです。でもその前に卒業公演の投稿をしておかないと「時系列がおかしくなる」と焦って、卒業の余韻に浸る暇もないほど翌日も立て込んでいました。

――ようやく、実感できたのはいつでした?

荒井 1st写真集の告知がひと段落して、家族旅行へ行ってからです。1週間ほど、フランスで過ごしたんです。家族は旅行好きなんですけど、私の休みがなかったのでいつも置いてけぼりでしたし、プロレスの試合が入ってしまうと長期の休みが取れないので、スタッフさんと相談してお休みをいただきました。

――それほどせわしくなく、SKE48での約11年間を駆け抜けていた証ですね。グループでの活動を振り返って、自分には何が残ったと思いますか?

荒井 何よりも、ファンのみなさんですね。私は加入当初から人気があったわけではなかったし、地道にコツコツやるしかなかったんです。でも、ファンのみなさんはずっと見守ってくださって、グループ全体でみればその時々で注目されるメンバーが変わるけど、自分を推してくださるファンのみなさんは変わらないし、推していただけることは“一番の幸せ”だと思いました。

――2024年11月の卒業発表直後、同年12月3日にはXで「ずっと自分にはSKEしかないと思ってて、SKEを卒業する時には全てをやめようと思っていました」と投稿していました。

荒井 芸能界をやめて、SNSもやめて、普通の人になろうと思っていたんです。でも、心ではアイドルとしての自分、プロレスラーとしての自分が分かれていて。アイドル卒業を決めた自分は「OLになりたい」と言っていたけど、プロレスラーとしての自分は「プロレスを辞める」と言わなかったんです。周囲には「OLはいつでもできるんじゃない?」と言ってくださる方もいて、期待を込めてくださる方もたくさんいたし、プロレスラーとして「どうなるか分からないし、どこまで行けるか分からないけど、上手くいかなかったら笑えばいい」と思って、卒業後の人生を決めました。