モチーフは新宿のストリートミュージシャン「ポップ」なフレーズが印象的なメジャーデビュー曲
――メジャーデビュー配信シングル『キスをしようよ』の注目ポイントは?
こーしくん サビでクラップが入るんです。ライブでは、初見の方でも2番のサビあたりからお客さんが「パンッ!」と乗ってくれます。これからステージを重ねて、一体感がもっと強くなるのを期待したいです。
アキラ 最初、弾き語りのデモ音源をもらったときから「この曲はいい」と思ったんです。ポップさを前面に出した曲で、私たちらしい楽しげなパーティー感とか、キラキラ感を出せました。注目してほしいのは、ベースの服部がフルートに挑戦しているところです。フルートのメロディーがラスサビの盛り上がりを引き立てているので、ぜひ、聴いてほしいです。
――服部さんがフルートに挑戦した経緯は?
アキラ 元々、服部は吹奏楽部だったんです。編曲のときに「実は吹けるんだよ」と行ってきてくれて。いいアクセントになりました。
こーしくん フルート吹けるなら入れちゃう、みたいに僕らはメンバーみんなで柔軟にアレンジしているんです。今作では、その空気感がいい味を引き出したと思います。
――曲中で繰り返される〈気付けばいつもポップミュージック〉のフレーズが、初めて聴いたときから印象に残りました。作詞作曲のこーしくんさんが、今作を手がけた背景は?
こーしくん 本業が忙しい時期に「3曲作ってくれ」と頼まれて作った1曲で、時間が全然なくて、会社のトイレや通勤中の時間を使って、歌詞とメロディーを考えました。〈気付けばいつもポップミュージック〉のフレーズは、通勤で新宿の南口を歩いているときに見た、ストリートミュージシャンの人たちがモチーフになっています。「いつも誰かが歌っているな」という思いから、連想しました。
――みなさん、兼業の“二刀流”ですし。常に、曲について考えているんですか?
こーしくん そうですね。「これだ!」と思いついたら、本業の仕事中でもトイレに行ってメモしたり(笑)。通勤電車でAIに仮のメロディを作ってもらい、自宅で手直しすることもあります。
――編曲は、どのように進めているんでしょう?
こーしくん それぞれ本業があるので、仕事が終わってからの21時頃に集まって、スタジオにこもりますね。今作はデモを作るのが一番大変で、編曲は割とスムーズでした。
アキラ 最初に合わせるときはみんなのアイデアを出す感じで、次で、形になるのがわりと定番です。
――軽快なリズムに乗ってメンバーがマーチングするかのようなMVも印象的。ワンカット撮影のような展開になっていますが…。
アキラ ワンカットのように見えるんですけど、実際は複数のカットを撮影しました。傘で視界を遮ったり、足元にカメラを移動させたりして、シーンをつないでいます。
こーしくん マーチングになったのは「歩きたい」と僕が言い出したからなんです。監督の加藤マニさんも「歩くのがいいんじゃないですか」と乗ってくれました。
アキラ 営業終了後のショッピングモールがロケ地で、誰もいない店内を歩き回るのは楽しかったんですけど、撮影は3時間以内と限られていたので、1階と2階を大急ぎで往復するのは大変でした。
こーしくん 順番にメンバーが出てきて、最後に全員が揃うんです。でも、僕が全然追いつけなくて、必死に走って「いけたかな?」と思ったら「映ってないよ」と言われたのもあった(笑)。
アキラ 昭和を思わせるようなハンディカメラで撮影したので、現場でプレイバックできなかったんです。完成版を見るまで、どんな作品になるのか分からないのもかえってワクワクしました。
こーしくん 完成した作品を見て「苦労して走ってよかった」と思いましたね(笑)。