自分の中で心がけているのは挑戦すること
――最近、自分自身で成長したなと感じるところはありますか?
渡邉 ポジティブになったと思います。もともとネガティブな性格で、人から言われた言葉を引きずってしまったり、周りからどう見られているかを気にし過ぎたり。それで心が疲れてしまうこともあったんですが、いい意味で引きずらなくなったんですよね。お仕事の現場で上手くいかなかったと感じたときも、「切り替えよう!」と思えるようになりました。意外と他人の失敗って覚えてないものですし、そこまで誰かの粗探しをしている訳でもないしと思えるようになってからは、あまり落ち込むこともなくなって生きやすくなりました。そこは成長したのかなと思います。
――まさしく朝葉の成長にも繋がるお話だと思いますが、いつ頃からポジティブに変換できるようになったんですか。
渡邉 『青春ゲシュタルト崩壊』の影響が大きかったのかもしれません。この作品に入る前はネガティブだらけで不安ばかり。 今回の現場で皆さんとコミュニケーションを交わしていく中で、気の持ちようで解消できるものはたくさんあるなと思うようになりました。どうしても実力的に足りないところは、場数を踏んで補っていかなきゃいけないですけど、監督や共演者の方々と会話を交わすことで良くなる部分もいっぱいあるなと気づいて。『青春ゲシュタルト崩壊』以降にやらせていただいた作品でも、積極的に周りの方々とコミュニケーションを取るようになりました。幾つになっても人間は口に出さなくては伝わらないものがあるんだと思ったので、そこは大事にしています。
――映画以外にもドラマや朗読劇などの出演が続いていますが、俳優としての意識の持ち方に変化はありますか?
渡邉 最近、自分の中で心がけているのは、挑戦をしてみようということです。たとえば自分の中で役を固め過ぎてしまうと、現場で柔軟に対応できなくなるんです。もちろんセリフはちゃんと入れていくんですが、あえて固め過ぎずに、相手がどう出るかを見ながらお芝居をしようというのは気をつけています。逆に自分からも仕掛けてみようと思って、テストや本番を何回もやる中で、セリフの言い方やタイミングを変えてみたりするんです。話し方を変えるだけでも、相手の受け取り方や返し方が変わって、そこで新たなグルーブ感も生まれます。ありがたいことに現場で先輩の俳優さんたちが背中で見せてくださったり、直接教えてくださったりするので、それを盗んで、真似ることもあって。お芝居の幅を広げることで深みも出るのかなと思って、いろいろな挑戦をしています。
――忙しい中で、オフの時間はどのように過ごされていますか?
渡邉 私は家族が大好きで、暇さえあれば埼玉の実家に帰っています。甥っ子と姪っ子がいるのですが、昨日も姪っ子と一緒に温泉に行きました(笑)。家族といる時間が一番、気楽に過ごせるんですよね。あと、ちょうど1年前ぐらいに車の免許を取得しまして、ドライブがストレス発散になっています。車に乗りたいから実家に帰るみたいなところもあるんです。最初は人を乗せるのが怖くてビビっていたんですが、練習しないと上達はできなので、積極的に家族を乗せています!
Information
『青春ゲシュタルト崩壊』
絶賛公開中!
佐藤新(IMP.) 渡邉美穂
田辺桃子 新井美羽 水橋研二 濱田龍臣 藤本洸大 河村ここあ 福室莉音 愛来
戸田菜穂 / 瀬戸朝香
原作:丸井とまと「青春ゲシュタルト崩壊」(スターツ出版刊)
主題歌:「青空」マルシィ (UNIVERSAL SIGMA)
脚本:三浦希紗
音楽:牧戸太郎
監督:鯨岡弘識
Ⓒ映画「青春ゲシュタルト崩壊」製作委員会
突然、ストレスによって自分の顔を認識できなくなる【青年期失顔症】を発症してしまった朝葉(渡邉美穂)は、周囲に知られ、避けられてしまうことを恐れ誰にも言えず一人で悩んでいた。そんな、朝葉の異変に唯一気が付いたのは、同級生の聖(佐藤新)だった。聖はことあるごとに、朝葉を気に掛けるようになるが……。
PHOTOGRAPHER:YUU TOMONO,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI