本田望結さんと一緒にアイディアを考えてお芝居に反映させた
――2年ぶりに春奈を演じるにあたって意識したことはありますか。
恒松 改めて前作をじっくり観返して、当時の役作りを思い返しました。前回、ちょこちょこセリフをアドリブで言ってみたり、びっくりするシーンで変顔したりと、台本には書かれてないこともやったんですが、「この顔を今回もどこかでやりたいんです」と監督からリクエストをもらいました。今回は何度もきさらぎ駅に挑戦していくお話で、前作から引き継いでいる部分もあるんですが、春奈の心情もキャラクターもどんどん変化していくので、それをどう演じていくかみたいところを台本に書き込んで、監督にアイディアの提案もさせていただきましたし、本田望結さんとも一緒に考えてお芝居に反映させました。春奈は前作同様、人間らしい弱さがあって、自分を守りたくなってしまうという面がありつつ、それを踏まえて成長もしていくので、それは前作との大きな違いかなと思います。
――たとえば、どんなアイディアが採用されたのでしょうか。
恒松 本田さん演じる明日香と春奈のシーンだと、「アクションの後にハイタッチしたら面白いんじゃないか」とか。あと明日香は劇中で車の運転をするんですけど、最初は下手で、助手席にいる春奈は車酔いをしてしまいます。でも徐々に明日香の運転は上達するので、安心してリラックスした春奈が眠るのはどうですかと提案したら、「めっちゃいい!」と採用してくださいました。物語上、何度も同じシチュエーションのシーンがありますので、どういう変化を出したら、より面白くなるのかを、その場で考えながら撮影していきました。
――本田さんと会ったのは前作以来ですか?
恒松 そうです。この2年間の間に20歳を超えていて、以前にも増してしっかりされていましたが、相変わらずかわいくて素敵な方でした。本田さんは晴れ女で、学校のグラウンドで撮るシーンの日が台風予報だったんですけど、本田さんのおかげで晴れました。しかも本田さんがいなくなった途端に雨が降ったんです!
――現場の空気感は2年前と変わらなかったですか?
恒松 キャストは新メンバーの方も多かったんですが、ほぼスタッフさんは一緒だったのもあって、すぐに2年前の空気感に戻りました。新メンバーの方々も、前作を観た上で参加されているので、「楽しんでやろうぜ!」みたいな雰囲気に包まれていました。今回はきさらぎ駅なのに、青春の要素も入ってきて、感動するシーンまであります。日に日にチームワークも良くなっていたので、きさらぎ駅に挑んでいくときに、みんなでどうやったら面白くなるのか、どうやって友情を深める表現をしていくかみたいことを考えながら作るのが面白かったです。
――新メンバーで印象に残っている方はいらっしゃいますか?
恒松 浜松のホスト・ハヤト役を演じた大川(泰雅)さんが、ホストの名刺を渡すシーンで、かっこよく名刺を出す練習をずっとしていたんです。ところが本番で緊張しちゃって、名刺のアップのときに、すごく手が震えてて、手の震え待ちというのがあって、みんなで爆笑しました(笑)。かと思えばカメラが寄ってないときは上手くできちゃうので、場が和みましたね。あと鎌田夫婦を演じた柴田明良さんと中島淳子さんは本物のご夫婦で、普段の二人の空気感が映像にも出ていてリアルでした。
前作からの続投で言うと、相変わらず寺坂(頼我)さんの飯田大輔がいいんですよね。きさらぎ駅に最初にいる人だから、現実世界に戻ったら一番年上なんです。なのに、みんなの扱いが雑すぎて(笑)。めちゃくちゃ面白かったです。