Bリーグの選手になった幼馴染みに感化されて俳優を目指す
――ここからはキャリアについてお伺いします。学生時代に打ち込んでいたことはありますか?
荒井 小学1年生から高校卒業までの12年間、ずっとバスケに打ち込んでいて、それなりに頑張ってきた自負があります。ただ真剣にやっていたからこそ、早い段階でバスケを仕事にするのは無理だろうなと思っていました。バスケは今もやりますし、Bリーグの観戦も大好きです。
――どうして東京の大学に進学しようと思ったのでしょうか。
荒井 うちは県内進学を推奨する家系で、自分としても地元・宮城で進学しても良かったのですが、父親に「宮城を出なさい」と言われたんです。おそらく若いうちに外の世界を見なさいという意図があったのかなと思います。だから大学生になったからといって、遊んでばかりいるのが嫌だったので、社会経験としてバイトに打ち込んでいました。そのときに身に付けたスキルが何に役立っているのかはまだ分からないですが、大学生の期間だからこそ得られた財産として今に生きていると思います。
――その時点で芸能の世界に興味はあったのですか。
荒井 「かっこいいな」という漠然とした憧れはありましたが、自分がそういう世界に行くという想像は全くしていなかったです。上京当時、スカウトを受けたこともあったんですが、本当に何も考えていなくて。
――芸能界を目指したきっかけは?
荒井 幼馴染みの友人がBリーグの選手になって、試合を観に行ったときに感化されたんですよね。そこで自分の中で完結する仕事よりも、人に影響を与えられる仕事をしたいなと思ったんです。それで就活はせずに、芸能界一本に絞ったのですが、もう22歳だったので、急に事務所探しを始めたところで経験のない自分では話にならないし、何かしらの箔をつけないといけない。それで大学4年生の冬、ミスターコン(CAMPUS BOYS 2022)に出てグランプリを受賞しました。ただ、そのときに自分の武器が何もないことを思い知らされたんですよね。
――なぜ俳優という選択肢だったのでしょうか。
荒井 自分には何もなかったので、演技や作品を通して役として表現したほうが、より多くの人の心に届くと思ったんです。
――当時、憧れの俳優さんはいらっしゃいましたか?
荒井 かっこいいなと思う方はいたんですけど、お芝居の難しさを知らない状態でスタートラインに立ったのもあって、まずは自分なりに頑張ろうという気持ちでした。