できないこと、分からないことがあるって面白いなと思った
――事務所に所属して、すぐにレッスンを受け始めたのですか?
荒井 お仕事のほうが先で、レッスンを受け始めたのは一昨年ぐらいからです。いきなり現場で「お芝居をやれ」と言われても本当に難しいことばかりで、いろんな役者さんを間近で見ながら、経験を積んで、勉強しに来ている感覚がありました。自分が思っていた何倍も難しいなと感じていましたが、逆にこんなにできないこと、分からないことがあるって面白いなと思いました。
――演技について相談できる方はいらっしゃったのですか?
荒井 演技に関しては独学でやっていました。もともと人に相談できるタイプではなくて、自分の弱い部分を見せたくないと思ってしまうんですよね。小さい頃からそうで、バスケも動画を観ながら自分で研究するなど、基本的に独学でやっていました。まずは自分でやってみて、理解しないと気が済まない性格なんだと思います。
――一昨年からレッスンを受けてみていかがでしたか?
荒井 事務所のレッスンなんですが、「演技って何なんだろう」と分からないことが、より分からなくなってしまいました(笑)。だから今はレッスンから距離を置いて、現場に身を投じて、そこで経験して学んでいくというスタイルに戻りました。デビュー当時と基本的なところは変わらず、現場での学びを大切にしています。
——これまで出演された中で、特に印象に残っている作品は何でしょうか。
荒井 映画『遺書、公開。』(25)です。英勉監督の学園を舞台にした作品で、若手俳優が一クラス分揃いました。一人ひとりにスポットが当たって、みんなの演技合戦みたいなところもあって、いろんな刺激をいただきました。
——共演者に対してライバル心のようなものはありましたか?
荒井 俳優としてキャリアのある先輩が多かったので、「あの人はどういう演技をするんだろう」と学びの意識が大きかったです。
——今後、俳優としてどのような役柄に挑戦したいですか?
荒井 まずは今取り組んでいる作品を大切にしていますが、いずれはダークな作品で不良などのアウトローを演じてみたいですね。ルックスのイメージからか綺麗に見られがちなので、そういう壁を崩していきたいです。
――最後に改めて『愛の、がっこう。』の見どころをお聞かせください。
荒井 ホストクラブという特殊な世界での人間関係や、それぞれのキャラクターが抱える複雑な感情に注目していただけたらと思います。このドラマは“愛”をモチーフにした作品で、愛実とカヲルを中心に、愛に忠実に生きたいけど、しがらみだったり今の環境だったりが邪魔をする。その中でどうもがくのかが大きな見どころで、つばさの愛が垣間見えるシーンもあります。本来、交わらないはずの人たちが、あるきっかけで交じり合い、それがどう発展していくのかを、ぜひ見守ってください。
Information
『愛の、がっこう。』
2025年7月10日(木)スタート
毎週木曜22時~22時54分 ※初回15分拡大(~23時9分)
木村文乃 ラウール(Snow Man)
田中みな実 中島 歩 坂口涼太郎 味方良介 野波麻帆 早坂美海 荒井啓志 別府由来 ・ りょう ・ 筒井真理子 酒向 芳 沢村一樹ほか
脚本:井上由美子
音楽:菅野祐悟
演出:西谷 弘
プロデュース:栗原彩乃
制作著作:フジテレビ
私立ピエタス女学院高等学校3年葵組の担任・小川愛実(木村文乃)は、生徒の信頼を得られず、授業中にトラブルを起こしてしまう。私生活では父・小川誠治(酒向芳)の紹介で出会った銀行員の川原洋二(中島歩)と結婚を前提に付き合っているが、内心モヤモヤとした気持ちを抱えていた。そんな中、葵組の生徒・沢口夏希(早坂美海)がホストクラブにハマり、親のキャッシュカードを使い込んでいることが発覚。愛実と副担任の佐倉栄太(味方良介)は、夏希を連れ戻すために歌舞伎町へと向かう。内心怯えながら、ホストクラブ「THE JOKER」の中へと足を踏み入れる愛実。そこでは夏希がホストのカヲル(ラウール)に恋人のように甘えており、夏希を発見した愛実は手を引いて連れ出そうとする。店内がザワつく中、カヲルは夏希をお姫様抱っこで別室へと連れて行く。家に帰ることを拒絶する夏希だったが、愛実と佐倉は彼女を強引にタクシーに乗せて帰宅させる。夏希は7日間の特別指導処分となった。さらに愛実は、夏希の母から「今後一切夏希に連絡をしない」という念書をカヲルに書かせるよう、要求される。カヲルに電話をする愛実。念書を書くよう伝えると、カヲルは「客として店に来れば書いてやる」と応える。愛実はテレビ局の報道部で働く友人の町田百々子(田中みな実)と共にホストクラブへと向かうが、それはすれ違うことすらないはずだった2人の恋の始まりだった……。
PHOTOGRAPHER:YASUKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:YUUKI ISHIKAWA,STYLIST:MISAKI TAKAHASHI