ジャケットの撮影にかこつけて『リライト』の舞台・尾道に行った

――6月25日に3rdアルバム『error clock』をリリースします。3年前に2ndアルバム『cloud achoo』をリリースしたタイミングでインタビューさせていただいたときに、「アルバム制作はコンセプチュアルに考える」と仰っていましたが今回もそうでしたか?

Rin音 相変わらずです(笑)。

――この3年間で幾つもタイアップ曲を書かれていて、今回のアルバムにも収録されていますが、ちゃんとアルバムには一貫性がありますよね。

Rin音 タイアップとは言っても、やっぱり自分が作っている曲なので、共通点みたいなものは、どこかしらに存在すると思っているんです。そういうものを見極める力、それを歌詞で表現する力みたいなものが、ちょっとずつついているのかなと思います。

――3年間空いた理由はありますか?

Rin音 特にはないんですけど、強いて言えばバイブスですかね(笑)。個人的にアルバムを作るのは好きなので、1個1個の曲がまとまって、一つのテーマを作るみたいな作業はパズルみたいで楽しいです。

――今回のアルバムタイトル「error clock」について詳しく教えてください。

Rin音 「クロックエラー」というパソコンの誤作動があって、本体設定の時間がずれていると、上手く作動しないんです。たまたま大学時代に使っていたパソコンを開いたら、ネットのページ履歴が見られなくて、まさしくクロックエラーだったんですよね。本体設定を戻したら見られるようになったんですが、これを人間に当てはめると、過去に思いを馳せているときは、現実が疎かになるというか、浮ついてしまって、なかなか前に進めない。たとえば、元カノのことを思っているときとか、喧嘩した友達のことを思っているときって、上手いこといかないじゃないですか。それって面白いなと思って、上手く言葉でたとえられたらなと思っていたんですが、そういうときにパソコンのエラーに出会って、これは面白い、自分のテーマになるなと思って「error clock」という自分で考えた造語からイメージしてアルバムを作りました。

――奇しくも『リライト』に近いテーマですね。

Rin音 そうなんです!僕自身、ずっと身近にパソコンやアプリがあって、それに右往左往して生きてきましたし、それが『リライト』で重要になってくる時間軸と重なり合い、アルバムと映画という点と点が綺麗に結び付きました。

――今も地元の福岡を拠点にされているそうですが、やはり地元が一番ですか。

Rin音 そうですね。大抵のことが地元でできちゃうんですよね。それに東京に住んだとして、今以上に対面で話す仕事が増えるとプレッシャーだなと。レコーディングもそうなんですけど、僕は周りに人がたくさんいると、緊張して上手く歌えなかったりするんで、ずっと地元に身を置いているところもあります。リリックとの向き合い方も、地元のほうがリラックスしてできますしね。

――最後に改めて、『リライト』で注目してほしいポイントをお聞かせください。

Rin音 ストーリーは面白いですし、役者さんのお芝居も素晴らしいですが、映像の面で言うと、舞台となった尾道の景色が綺麗で。自分の地元でも見たことがあるような、どこか懐かしい青春の景色でもあって、そこに僕はシンパシーを感じました。自然の美しさもそうだし、人情味あふれる街並みなど、ふわっとイメージはあるけど、それが現実として存在する場所ってなかなかないと思うんです。そこが映画の中で感じてほしいところでありますし、僕も曲を作るにあたっても刺激になりました。

――実際に尾道に行ったことはあるんですか?

Rin音 この映画を観て、どうしても行きたくて、ジャケットの撮影にかこつけて行きました(笑)。だからアルバムの先行シングルでもある「scenario」のジャケットは尾道で撮影しているんです。

Information

『リライト』
全国ロードショー中!

池田エライザ
阿達 慶 久保田紗友 倉 悠貴
山谷花純 大関れいか 森田 想 福永朱梨 若林元太 池田永吉 晃平 八条院蔵人
篠原 篤 前田旺志郎 / 長田庄平(チョコレートプラネット) マキタスポーツ 町田マリー 津田寛治
尾美としのり 石田ひかり
橋本 愛

監督:松居大悟
脚本:上田 誠
原作:法条 遥「リライト」 (ハヤカワ文庫)
主題歌:Rin音 「scenario」(ROOFTOP / ユニバーサル ミュージック)
音楽:森 優太
製作・配給:バンダイナムコフィルムワークス
©2025『リライト』製作委員会

高校3年の夏、転校生の保彦(阿達 慶)がやってきた。彼はある小説を読み、憧れて、300年後からタイムリープしてきた未来人だった。保彦と秘密を共有する美雪(池田エライザ)。やがて二人は恋に落ちた。そして、7月21日、運命が大きく動く。保彦からもらった薬で、美雪は10年後にタイムリープする。未来の美雪は1冊の本を見せ、「あなたが書く小説。……絶対書ける。」と告げる。それは保彦が未来で出会う小説―タイムリープから戻った美雪は、未来へ帰っていく彼を見送った。「この夏の彼と私の物語を書き、必ず時間のループを完成させる」という約束を交わし。10年後、小説家になった美雪は、ようやく出版にこぎつけた保彦との“自分だけの物語”を手に帰省する。―しかし運命の日、いくら待っても10年前の美雪は来なかった。なぜ来ない!? あの夏のタイムリープの謎と秘められた感情が、10年の時を翔けて明らかになる―現在、過去、そして未来、時を翔けめぐり「リライト」される運命の行方は?

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Rin音 3rd Album
『error clock』
2025年6月25日リリース
映画『リライト』 主題歌「scenario」、インスパイアソング「貴方に晴れ」収録!

M1 scenario
M2 テレスコープ feat.asmi
M3 春と夜空
M4 1cm
M5 What’s up(Rin音・クボタカイ・asmi・A夏目)
M6 qualia
M7 Fruits feat.asmi
M8 Good Bye feat.asmi
M9 bible
M10 ダラダラする feat.クボタカイ
M11 箒星飴店
M12 宿木
M13 夜明乃唄
M14 貴方に晴れ
Bonus track snow jam – From THE FIRST TAKE

Rin音「scenario」
MV

「scenario」
https://rinne.lnk.to/scenarioPR

「貴方に晴れ」
https://rinne.lnk.to/anataniharePR

Rin音

1998年9月16日生まれ。福岡県出身。18歳からラッパーとしてのキャリアをスタートさせ、数々のラップバトルに出演し頭角を現す。20年6月10日に1stアルバム『swipe sheep』をリリース。同年の「第62回輝く!日本レコード大賞」にて新人賞受賞。「Sister」(22/TBS)の主題歌や、「離婚しようよ」(23/TBS-Netflix)のW主題歌などを担当した。今年6月25日、3rdアルバム『error clock』をリリース。

PHOTOGRAPHER:TOSHIMASA TAKEDA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:Nico Kazama(Superbly inc.)