人に頼れない性格の真琴に共感した
――「極道上司に愛されたら」の原作コミックは読まれましたか?
紺野彩夏(以下、紺野) 読みました。エピソードを読んでいる最中に、「早く次が読みたい!」と思うぐらいワクワク、ハラハラする展開が多くて、楽しい作品でした。電子コミックを読む頻度はそれほど多くないですし、個人的に実話系の作品が好きなので、あまりラブストーリーは読まないのですが、「極道上司に愛されたら」は一気に引き込まれました。
――ドラマの脚本を読んだ印象はいかがでしたか。
紺野 まだコミックは連載中なので、途中からはオリジナルストーリーなのですが、原作の良さが上手く反映されていて、原作ファンの方にも楽しめる内容だなと感じました。展開がめまぐるしいので目が離せないですし、最後まで飽きさせないですね。ドラマを観た人にも、そう感じてもらえるような表現ができたらいいなと思いました。
――紺野さんが演じる菅原真琴は、広告代理店アドライザの営業事務として働く29歳の女性で、仕事熱心で同僚からも慕われています。その一方で、私生活ではワガママで自分勝手な恋人であり同僚でもある勇人に振り回されながらも献身的に尽くします。真琴に共感する部分はありましたか?
紺野 真琴は「大丈夫!」って自分に言い聞かせるところがあって、「自分がやれば解決する」とか、「自分が我慢すれば上手く回るなら」とか、人に頼れない性格です。私自身は真琴ほど他人のために動ける訳ではないですが、そこは共感できました。
――紺野さんも人に頼らないタイプということでしょうか。
紺野 あんまり周りに相談をしないタイプですね。自分で頑張ればできることなら、誰かにお願いしなくても、一人で頑張ればいいやと思うタイプなので、真琴の気持ちは分かります。
――序盤は勇人に振り回されっぱなしの上に、勇人と後輩の浮気現場を目撃して、痛々しいですよね。
紺野 モラハラ体質の勇人にやりたい放題されて、ひたすら気弱な真琴は耐えているので、演じていて辛くなりました。
――真琴を演じるにあたって、監督からリクエストなどはありましたか?
紺野 真琴は母親に支配されていた過去があって、母親に複雑な思いを持ち続けています。そうしたトラウマがベースにあるので、会社でも、恋愛でも、それを引きずっているんです。だから勇人に酷いことをされても、なかなか本音を言えません。母親との関係性が描かれるのは中盤からなのですが、最初からそうしたバックボーンを頭に置きながら演じてほしいと言われました。具体的に「もうちょっと、そういう気分を足して演じてください」と言ってくださるので、すごく参考になります。