色々な愛の形を表現したメジャー1stミニアルバム『らぶあるばむ』

――まずは、改めてソロプロジェクトCENTについて教えてください。

セントチヒロ・チッチ(以下、チッチ) CENTは私の音楽でのソロプロジェクトです。形はあまり決めていなくて、私の音楽をみんなと共有する場所だと思っています。

――今年で3周年ということなのですが、活動をスタートさせた時のきっかけや思いも教えてください。

チッチ BiSHではプロデュースしてもらっている立場だったので、自分の思いや表現したいこと、やりたい音楽、カルチャーを表現するのがなかなか難しかったんです。もちろん、BiSHでの表現も楽しかったんですけど、他にもたくさんある自分が好きなものをもっとみんなと共有したいなと思って、思い切ってソロをやらせてもらいたいと言ったことがCENTの最初のきっかけでした。

――そして、今回、ビクターエンタテインメントからのメジャーデビューが決まったわけですが、メジャーデビュー直前の今の心境はいかがですか?

チッチ 率直にすごく嬉しいです。ビクターさんには、音楽好きな人が本当にたくさんいて誰と話していてもとても楽しいですし、私も音楽が大好きで育ってきたので、CENTの音楽をそんな音楽愛溢れる人達と一緒に作れることが本当に幸せだなと思って、とてもワクワクしています。

――メジャー1stミニアルバム『らぶあるばむ』は、チッチさんにとってどんな作品になりましたか?

チッチ 今回は原点に立ち返ろうと思って制作しました。BiSHの9年間とCENTの3年間、自分が何を大事にしてきたのか振り返った時に、やっぱり「愛」を伝えることが自分の中のテーマとしてあったので、メジャーで一歩踏み出す時には、それをもう一度ちゃんと表現したいと思いました。自分の中の本当の愛の形はまだ見つかってはいないんですけど、探し出す過程の中で出会った色々な愛の形を音楽として表現できた8曲だと思っています。

――タイトル表記をひらがなにしたのもチッチさんの発案ですか?

チッチ そうですね。色々な表記の仕方で書き出してみた時に、ひらがなの『らぶあるばむ』が直感で一番可愛いと思いましたし、今の自分にとっても相応しいなと感じました。

――では、ここからはダイジェスト的にはなりますが、『らぶあるばむ』全8曲の中から、既発曲を除く新曲を中心にお話を聞かせてください。まずは、2曲目の「ラブシンドローム」。こちらは、ドラマ『北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。』の主題歌となっていますが、実際にドラマで曲が流れるのを見て、いかがでしたか?

チッチ ドラマを見ることは大好きだったので、自分の音楽がドラマの中で流れていることがとても嬉しかったです。しかも、主題歌というのは物語の大事な要素のひとつだと思うので、「ラブシンドローム」が登場人物4人の生活の中にマッチしていたことも嬉しかったですね。

――ファンの方からの反応や反響はいかがでしたか?

チッチ エゴサをした限り、チッチのチッチらしいところが出ていて素敵な曲だと言ってくれる人がたくさんいて良かったですし、そうでしょ!とも思いました(笑)。ゆうほ(北澤ゆうほ)らしさが出ている曲でもあると思っています。やっぱり彼女にしか書けないラブソングがあるので、これまで友達として関わってきましたけれど、改めて1人のシンガーソングライターとしても尊敬するなと思いました。キュートさや女の子らしい部分を引き出してもらった気がしています。

――そして、5月に行われたZepp Diver Cityのワンマンライブで初披露された「ポーカーフェイス・カウボーイ」。曲調や歌い方なども含めてチッチさんの新境地とも言えるような感じを受けましたが、この曲についてはいかがでしょうか?

チッチ この曲にはCENTの新しい可能性を引き出してもらったような気がしています。めちゃくちゃ難しい曲で、時間をかけてレコーディングしたので大変でしたけれど、歌というものに向き合えた時間でもあったので、とても楽しかったです。自分にもまだまだ伸びしろがあると教えてもらった曲だなとも感じています。本当にかっこいいと思える曲なので、作詞作曲のLinnaくん(Linna Figg)と編曲のSATOHにとても感謝しています。

――この曲も反応や反響が気になるところですが…。

チッチ この曲は特にかっこいい!と言ってくれる人が多いですね。私のことを知らなくても、この曲を聴いて「かっこいい、誰の曲?」と反応してくれている人もいたりしたので、とても嬉しかったです。ファンの方の中には、もしかしたら受け入れてくれない人もいるかもしれないなと思っていたんですけど、全然そんなことはなくて、「マジかっけぇじゃん!」と言ってもらえるような曲になって最高です。