「東へ西へ」は暗さと重みを含む、アレンジし甲斐のある曲

――LEO IMAIバンドとしての初ライブが行われたのが2012年で、活動は今年で11年目を迎えます。結成時から長く続ける予定でしたか?

LEO今井(以下、LEO) バンドを結成するまでは、アルバムごと、曲ごと、ライブごとにメンバーが変わることが多く、それはそれで楽しい面もありますが、自分自身の理想のサウンドとは違うと思っていたんです。固定メンバーで重ねる一体感のある音が出したかったので、そのつもりでいました。初めて4人でリハーサルをした時、バチっとハマって。ギターの(岡村)夏彦と「わりと(ハマるのが)早かったね」と言い合ったのを覚えています。

――白根賢一さんは少し上の世代の方ですよね。

LEO 白根さんはサポートメンバーとして以前から参加してもらっていましたが、馬も合ったので、ずっと続けてもらっています。

――馬が合う、合わないというのは、演奏力とはまた別のものですか?

LEO うまく説明しにくいですが、その人の雰囲気とか……普通の人間関係と同じような感じです。

――LEO IMAIバンドでの初ライブはいかがでしたか?

LEO いい感じで楽しかったです。ライブ前に白根さんと シゲクニが迷子になっちゃって遅れそうになったんです。それがきっかけで二人が意気投合し、ベースとドラムが仲良くなれたので、よかったです。

――年々、ソロ作品はよりロック色が強くなっている印象があります。

LEO バンドとしてどんなことができるのかが分かるようになり、焦点が絞られ、余計な要素が削ぎ落されていっている変化は感じています。

――『Eastward Westward』の1曲目に収録されている「東へ西へ」は井上陽水さんの曲ですが、井上陽水さんの曲はご存知でしたか?

LEO 「飾りじゃないのよ涙は」を知っている程度でした。「東へ西へ」を初めて聴き、暗さと重みのある曲で「共感できるし、ロックにアレンジし甲斐がある」と思いました。歌詞も “お祭り電車に呼吸も止められ”というフレーズがまず印象的で、全体的に面白いなあと思いました。

――前作のEP『6 Japanese Covers』でも他アーティストの楽曲を6曲カバーされました。

LEO 『6 Japanese Covers』は自分の身近だったり、憧れのあるバンドやアーティストの曲を選曲しました。曲はすでにあるので、最初の段階からそれぞれの音のアレンジに専念でき、結果としてバンドのサウンドをよりヘヴィな方向に持っていけたなと思っています。アプローチ自体は今回も同じような感じでした。最初に私がドラムパートをパソコンで打ち込み、ギターのガイドを入れて、7割ぐらいイメージを固めたものをメンバーに渡して、それぞれがブラッシュアップしてからスタジオに入るという流れです。

――「東へ西へ」でイメージしたアレンジはどんなものでしたか?

LEO 「ダンダンダンダーン」という音をポイントに、グルーヴするドライブ感みたいなのを足した感じです。テンポ、キー、コード進行はほとんど変えていません。間奏は変えました。

――カバー曲の場合、オリジナルの歌い方に引っ張られることはありますか?

LEO カバーはオリジナルとは、なるべく別物にしたいと思っています。完コピなカバーにも魅力はありますが、それを自分でやろうと思ったことはないですね。