スポットライトが当たらない個人の人生や想いに光を当ててビジネスとして成立させる
――稲留さんと森田さんの関係について教えていただきたいのですが、お二人が知り合ったきっかけは?
稲留 きっかけは、共通の知人でありAmaductioNの飲食ビジネスにもジョインいただいている株式会社ひろろ代表の鶴見至善さんです。森田さんとは+idolist(以下、アイドリスト)という『パラレルキャリアアイドルプロジェクト』の話で意気投合し、現在は共同プロデューサーとして参画いただいています。
森田 僕は10年以上、広告やミュージックビデオを中心に映像ディレクターとして活動してきました。どれもやりがいのある仕事ではあるのですが、作品自体はクライアントやアーティストのものではあるので、自分の作品ではないんですよね。特に40歳を超えて「自分が主導で残せる作品をつくりたい」と思い始めました。その頃ちょうど鶴見さんと話す機会があり、「パラレルキャリアアイドルプロジェクト」の話を伺い、稲留さんを紹介してもらいました。考えていた方向性も近く、出会ってからはすごくスムーズにプロジェクトが動き出しました。
稲留 本当に早かったですね。出会ってすぐに「一緒にやりましょう」と自然に進んでいった感覚でした。
――もともと稲留さんの中に「こういう人と一緒にやりたい」というイメージはありましたか?
稲留 具体的な人物像はありませんでした。アイドリストは、アイドルのセカンドキャリアを応援する前身プロジェクトから派生したものです。セカンドキャリアからパラレルキャリアへと発展させたいと考えていた時期に、森田さんが加わってくださり、一緒に「パラレルキャリアアイドル」という新しい形をつくり上げました。

――森田さんは、プロジェクトにジョインする前は、AmaductioNや稲留さんに対して最初どんな印象を抱いていましたか?
森田 ユニドル(大学対抗女子大生アイドルコピーダンス日本一決定戦)の運営や後援をやっている会社であることは以前から知っていました。活動内容はなんとなく知っていたんです。ただ、ユニドル以外の事業までは知らなかったんです。実際に話を伺うと、ニッチな領域に光を当て、それをしっかりとビジネスに昇華している姿勢に強く惹かれました。メジャーな枠組みでは救われない想いや人生を拾い上げ、しかもビジネスとして成立させ、人を幸せにしていく。極めて稀有な取り組みだと思いました。

――お二人のバックグラウンドは大きく異なりますが役割分担などは事前に決めていたのでしょうか?
稲留 イメージとしては、僕がビジネス側をやらせていただいて、クリエイティブを森田さんに担当していただいています。自然と住み分けができている感じですね。森田さんには出資もしていただいているので、立場としてはオーナーも兼ねて、映像制作ではディレクターとしてご一緒いただいています。単なる発注先ではなく、同じ船に乗る関係です。
――パートナーの域を超えて一緒に事業をつくられているんですね。
稲留 そうですね。出資でコミットしていただきながら一緒に進めています。ビジネスの土台と主軸を明確にしたうえで拡大していく。そんな設計です。特にクリエイティブな領域には、高度な技術と知見が不可欠です。だからこそ、スキルと熱量を持って事業にコミットしていけるチームは強いと思います。
森田 あとAmaductioNはフットワークがとても軽い。新しいアイデアが出たら、「じゃあ一回やってみよう」で動く。僕だけでなく内に閉じない開放的な会社だから、想いがあれば誰でも自然にジョインできる。令和的というか、プロジェクト単位で人が集って、すばやく試せる文化が根づいていると思います。
