木村慧人さんが演じることで叶翔くんの優しさが見えた
――現場の雰囲気はいかがでしたか?
矢吹 すごく良かったです。特に「ライクレ(LiKE LEGEND)」のメンバーはずっと一緒に活動してきた仲間みたいな空気感で仲良く話されていたので、チームワークがあって素敵だなぁと思って見ていました。深夜練もしていたらしくて、部活動のようなところもあって。だからこそグループのメンバーになりきりつつも、一人ひとりのキャラが引き立っていたんでしょうね。
――ご自身もグループ活動をしていたから懐かしかったのでは。
矢吹 そうですね。やっぱりグループって友達関係だとは別だと思っていて。完成した映画を観たときに、メンバーの特別さを感じました。
――畑さんとの共演はいかがでしたか。
矢吹 芽育ちゃんは明るくて太陽みたいな女の子で、ずっと元気にみんなと喋っているんですけど、本番になると一瞬でさほ子に変わるんです。その切り替えがすごいなと思って、どこでそのスイッチを押しているんだろうと気になって、特に注目して見ていました。
――『矢吹奈子のレコメン!』(文化放送)に畑さんがゲスト出演された際に、「まだキャラを出し切れていない」と言われたそうですね。
矢吹 なぜか芽育ちゃんからすごく面白いキャラだと思われていたみたいで、「まだ出てないぞ」みたいな(笑)。確かに今回の現場では静かめだった気がして、人見知りしちゃったんですよね。初日に人見知りモードで入っちゃうと、どこで殻を破ったらいいのか分からなくなっちゃうんです。でも、だんだん自分を出せるようになってきて、今は芽育ちゃんと二人でごはんにも行きますし、そのときはお互いにずーっと語り合っています。もも子先生と3人でごはんに行ったこともあって、すごく盛り上がりました。
――もも子先生とは何度かお会いしたんですか?
矢吹 はい。初めてお会いしたのは撮影現場にいらしてくださったときで、挨拶に行って、「えみかを演じる上でどういうところを意識したらいいですか?」とお聞きしたら、「感情が顔に出やすいところですね。あと、皇太、さほ子、叶翔、それぞれにえみかの気持ちがあるから、そこを表現してもらえたら」と。「でも奈子ちゃんは、もうえみかちゃんだから」と言ってくださって安心しました。
――大橋和也さんの印象はいかがですか。
矢吹 ライクレのリーダー・桐ヶ谷皇太を演じるに相応しい、テレビのバラエティなどで見たままのフレンドリーで華のある方で。私の撮影初日が皇太とのシーンだったんですが、今お話しした通り人見知りなのもあって、すごく緊張した状態で現場に入ったんです。ところが大橋さんがテレビのまんますぎて逆に親近感が湧いて。皇太とえみかは幼馴染の間柄だったのもあってやりやすかったです。
――一番共演シーンの多い木村さんとの掛け合いはいかがでしたか?
矢吹 私の中の叶翔くんは、そんなに口数も多くないクールなイメージだったんですが、実際の木村さんは明るくてニコニコしている方なんですよね。もちろん叶翔くんを演じるときは役になりきっているんですが、木村さんが演じることで叶翔くんの優しさが見えるところがいいなと思いました。
――木村さんに対しても最初は人見知りされていたんですか?
矢吹 はい、結構長い間……(笑)。共通の知り合いがいて、「木村さんはすごくボケるよ」と聞いていたんですが、私の前では一回もボケてくれなかったんです。だから叶翔くんとえみかが第6話で遊園地デートをする撮影のときに、「友達からすごくボケるって聞いたんです」と話したら、当たり前のように「そうなんだよね」と言っていました。まだボケたところは見ていないですけどね(笑)。というのもライクレのメンバーは天然の方ばかりだから、どうしてもツッコミに回るらしくて。個人的に木村さんのボケを見てみたいですね。
――遊園地デートの撮影はどんな雰囲気だったんですか?
矢吹 いろんな乗り物にも乗れましたし、すごく楽しかったです。水鉄砲で遊ぶシーンでは叶翔くんが本気になりすぎて、すっかり夢中になってしまって。二人とも表情を意識せずにやっていたので、一回撮り直しになったぐらいでした。