白洲さんとの掛け合い、テンポ感のメリハリみたいなところを意識して演じた
――初めてドラマ『今日もふたり、スキップで』の脚本を読んだときは、どんな印象を持ちましたか。
白洲迅(以下、白洲) 大きな展開がある訳ではないんですが、クスクス笑えるストーリーで、ときには大笑いできるシーンもある脚本だなと。すごく楽しませてもらいましたし、どんどん心が癒されていく感覚がありました。それを自分が表現するとなったときは、どうなるのか分からないけど、ドラマティックな展開が繰り広げられるドラマが多い中で、『今日もふたり、スキップで』は日常の中にちりばめられている小さな幸せに気づかせてくれて、こういう作品がやりたかったんだと強く思いました。
松村沙友理(以下、松村) 私も読んでいてほっこりして、面白いなと思ったんですが、映像にするときに自然に伝えられるかどうか不安な気持ちもありました。脚本を読んだ段階では、あまりお芝居の方向性も想像がついていなかったんです。現場に入って、監督をはじめ皆さんと話し合いをしていく中で、特に変わったことが起こらないシーンでも変な動きをしてみようとか、アイデアが浮かぶようになりました。
――アドリブ的な要素も多いように感じました。
白洲 スタッフさんからの無茶ぶりが多かったですね。特に松村さんは、すごいいびきに挑戦させられたりして(笑)。
松村 私が想像するいびきだとかわいすぎるから、「もっと激しく!」と言われて大変でした(笑)。
――全体的にゆったりとしたテンポが心地よい作品ですが、撮影中も意識しましたか。
白洲 意識はありました。原作も含めて脚本の進み方がゆっくりというか、起こっていること自体がゆっくりなので癒された部分も大きくて。撮影が始まってみると、スケジュール的には大変で、体は疲れているんだけど、精神的にはどんどん癒しを得ていく感覚があって不思議でした。
松村 私はもともとセリフを早く言っちゃう癖があって、それを監督に指摘されることも多かったですし、白洲さんとの掛け合い、テンポ感のメリハリみたいなところは意識して演じていました。
――今回が初共演ということですが、お二人の掛け合いは絶妙でした。
白洲 最初から完璧にできた訳ではなかったのですが、それがドラマの醍醐味でもあって。最初から二人の関係性は自然ではあったんですが、撮影が進むにつれて、会話のやりとりもスムーズになって、二人で心を一つにして関係性が深まっていく感覚がありました。ドラマは夫婦が新居に引っ越してくるところから始まるんですけど、そこからどんどん夫婦としての関係が深まっていくのを、僕らがリアルに体感しながら、体現できたんじゃないかなと思います。
松村 二人だけの会話のやり取りで進んでいく作品は今回が初めてで、台本を開くと、「夫」「妻」「夫」「妻」と交互に二人の名前しか書いていないシーンが大半だったので、現場に入るまでは不安でした。会話でどういうふうに見せていくのかも難しかったんですが、そこは白洲さんに助けてもらいました。