歩みを止めずに活動を続けた「挑戦」の1年
――今年も残り2ヶ月となりますが、2025年は三田さんにとって大きな転機となるような1年だったのではないでしょうか。振り返ってみていかがですか?
三田美吹(以下、三田) 一言で言うと、本当に「挑戦」の1年だったなと思っています。今までは、毎年グループのメンバーと年越しをして、新しい年が始まるというのが恒例だったので、今年は年越しからまったく違う始まりでしたし、色々な環境の変化があったので、不安な気持ちも大きかったのですが、ファンの方がずっと待っていてくださったので、少しずつでも歩みを止めずに進んでいくことを意識して1年間活動してきました。今までは、表に出る機会がたくさんありましたけれど、特に、舞台の稽古期間中は表に出る機会が少なくなってしまうので、SNSの更新なども含め、歩みを止めないということを意識していました。

――歩みを止めずに…ということですが、独立されたことで大変だったことも多かったのではないでしょうか?
三田 そうですね。それでも、今の自分ならできる!と思って取り組んできました。その自信をくださったのは、ファンの皆さんの存在です。今までの歌やダンス、今のお芝居のことをたくさん評価して応援してくださっていることが自分の中でとても大きくて、自信にも繋がっています。自信をいただけたことで、もっと自分から前に進んでいって、たくさんの作品を届けていきたいと思えるようになりましたし、転んでもどんどん挑戦していきたいとも思えるようになりました。「美吹ちゃんのやりたい道を応援するからね」、「ずっとついていくからね」といったファンの皆さんの声が本当に支えになっています。正直、歌ったり踊ったりしていないと離れていっちゃうのかもしれないな…という不安もあったんですけど、応援してくださるファンの方がいる限り作品を届け続けていきたいと思えた、そんな挑戦の1年でした。
――かなり濃い1年だったと思いますが、体感的にはいかがでしたか?
三田 本当にあっ…という間でしたね。1年の間に、こんなにもたくさんの作品に出させていただいたことは初めてでしたし、稽古・本番、稽古・本番の繰り返しで、2ヶ月に1作品くらいのペースだったので、次から次へと役に落とし込んでいったという感じでした。そんな中で、今まではマネジメントの方がやってくださっていたスケジュール管理なども全部自分でやっているので、とても大変でしたし、今までのありがたみを感じた1年でもありました。
――昨年、長く活動されていたグループが解散して、本格的にソロでの活動がスタートしたわけですが、その頃はどのような活動を思い描いていたのでしょうか?
三田 グループ解散直後は、正直ぽっかりと穴が開いてしまったような感覚でした。本当に毎日のようにレッスンがあって、週末にはイベントがあって、ライブに向けてリハーサルをして、新曲ができたら振り入れをして…といった日々を過ごしていたので、それが全部なくなってしまった時に、私はこのまま進んでいってもいいのかな?進んでいけるのかな?ととても不安な気持ちにもなりました。ファンの方がいてくださる限り、この世界にい続けたいと思いつつも、歌に自信があるわけでもなかったですし、1回喉を壊してしまったこともあったので、解散後に何かを思い描いていたのか?と言われると、何も思い描けていなかったというのが本音です。

――でも、それがリアルな本音なのかもしれないですね。
三田 もともと、1人で雑誌や広告、CMなどのお仕事をやらせていただいてからグループでの活動が始まり、そこからはずっとグループで活動をしてきました。始めた頃は学生だったので、目の前のお仕事に取り組みながら、夢に向かって真っ直ぐに進むだけでしたけれど、今この年齢になってから1人になった時に、夢だけでは進めなくなってしまったというか…、先のことはあまり思い描けませんでしたね。でも、解散してからも舞台に出させていただいたり、短編映画に出させていただいたり…色々なお仕事をいただいて、まわりの方達から「もっと自信を持った方がいい」と言っていただいたり、演出家の方から「三田さんの芝居の間の取り方に目がいく」と褒めていただいたりしたこともすごく大きくて、自分のことをちゃんと俳優だと認めて、もっと頑張りたいなと思えるようになりました。今までは歌やダンスといったパフォーマンスを通して、皆さんに笑顔を届けてきましたけれど、今は俳優として役や物語を通して、皆さんの人生を豊かにする何かをお届けできたらいいなと思い描いて活動しています。
