林一敬と手島麗央の天然ボケが炸裂する稽古場

――舞台『呪縛の家』のオファーがあったときの気持ちをお聞かせください。

関根優那(以下、関根) 舞台では珍しい本格的なミステリー作品に携われることがうれしかったです。私が演じるのは卜部家の三姉妹の長女・澄子役ですが、綺麗なお二人と姉妹になれたのもうれしかったですが、この中で長女に見えるのかなという心配もありました(笑)。

入山杏奈(以下、入山) もともとノサカラボに出たいと思っていたので、まさかのオファーをいただけて、驚きとうれしさが入り混じった感情でした。オファーをいただいたときはメキシコにいたので、ちょうど日本に帰国するタイミングだったのも良かったですし、約2年ぶりに日本で舞台ができる喜びもありました。

神志那結衣(以下、神志那) 私は昨年8月までHKT48にいたんですけど、卒業してから出た舞台は東京公演のみというものが多かったので、今回は地方も回るような大きな公演で、地方のファンの方にもお会いできると思うとうれしかったですし、あんにん(入山)さんとご一緒できるのも楽しみでした。

――AKB48グループ時代に、入山さんとお話したことはあったんですか。

神志那 一言二言しかお話したことがなかったです。

入山 「一緒に写真撮りましょう」ぐらいだったよね。

神志那 そうですよね。だから余計にうれしかったです!

――稽古場はどんな雰囲気ですか。

入山 みんな初めての感じがしないんですよ。誰一人として距離感があるなと感じる方のいない座組だなと思っていて。どうしてなのかなと考えると、ジャニーズJr.のお二人が、すごくムードメーカーなので、みんなが可愛らしいなと思って笑っているみたいな(笑)。お二人ともセリフのイントネーションが違ったり、聞いたことのない間違い方をしたり。「そんな日本語ないだろう」みたいなツッコミをされています。

神志那 いつも内海光司さんが、みんなのことを気にかけてくださって。稽古場に届いた差し入れをわざわざ私にも持ってきてくれて、「ほら。食べなよ」って声をかけてくださるんです。

入山 もう保護者ですね。

――関根さんは遅れて稽古に合流したそうですが、かなり緊張したんじゃないですか。

入山 そんなに緊張してないでしょう?

関根 いやいや、もともと人見知りなので緊張しました。そう思われないようにしようと、いつも強い気持ちを持って現場入りするんですが、今回のように初めましての人しかいない現場が久しぶりで、余計に不安でした。でも稽古場に入ったら、みなさんフランクに話しかけてくださるので、自然と輪の中に入ることができました。

――それぞれ、どんな役柄を演じるのでしょうか。

神志那 私の演じる次女の烈子は熱量がすごくて、三姉妹の中で一番性格が悪い女性なのかなと思うぐらい、すぐに怒る短気な性格で、一言一言にトゲがある女性です。普通の人だったら内に秘める感情を、パーッとさらけ出しちゃうんですよね。

関根 烈子がトゲトゲした女性だとしたら、澄子はネチネチというか、逆に内に秘めるタイプです。男性を手のひらで転がすような妖艶な女性なので、思ってることをはっきり言わないですけど、何事にも裏があるように感じる含みのある女性。だから、同性からすると、「こんな人が周りにいたら嫌だな」と思われるような女性かもしれません。

入山 私の演じる三女の土岐子は、卜部家の中で唯一心の綺麗な女性です。

――入山さん自身に通じるところはありますか?

入山 ほとんど一緒だと思います!

神志那・関根 (笑)。

――バラバラの個性を持った姉妹なんですね。

入山 三姉妹の仲も良くないんです。澄子と烈子は一緒に祈祷するシーンもありますけどね。

関根 三姉妹それぞれのキャラクターが立てば立つほど、お互いが引き立つのかなと思います。

――初めて台本を読んだときの印象はいかがでしたか。

入山 「えー!」って感じでしたね。このキャラクターが犯人だったんだという驚きが素直にありました。

神志那 普段は使わないような難しい言葉や、時代背景となる昭和の古い言葉など、いろんな言葉が飛び交うんですけど、この世界観をどのように舞台で表現するのかと楽しみでした。

関根 話の展開がめまぐるしいので、見ている方はアトラクションに乗っているような感覚で楽しんでもらえるのかなと思いました。各キャラクターの個性がはっきりしているので、キャストのみなさんが演じたときに、どういう色が付いていくんだろうというワクワクもありましたし、トリックをどう表現していくのかにも興味が湧いて、私も客席で観たいなと思いました。