打ち合わせから味わっていた「全員で本気を出す」という久しぶりの感覚

――過去最大露出に挑戦した作品で、実際の撮影はいかがでしたか?

前田 シンプルに、いいものを作れました。特にこだわったのはランジェリーです。事前のミーティングやフィッティングを入念に繰り返しました。スタイリストさんが「これ以上、アイテムはない」というほど色々なランジェリーを熱心に探してくださって、イメージの限界を超えられたと思います。

過去の作品、他の方々の作品と似たものにしたくなかったので、色々な写真集を取り寄せて研究もしたんです。意識としては「引き算」で、前例のないと自信をもっていえる作品を完成させるのはたいへんな作業でしたけど、テーマの「大人の恋」を十分に表現できたし、私も久しぶりに「恋人がほしい」と思いました。

――男女双方の目線を意識しながらの制作中、前田さんの姿勢をみて「私も頑張らなければ」と、同性のスタッフさんも励まされたと聞きました。

前田 うれしいです。私もスタッフの方々も一丸となって、プロとしてのベストを尽くせたと思います。久しぶりに「戦った」という感覚もあったんです。仕事をまっとうするだけではなく、さらにギアを上げて「全員で本気を出す」という感覚が蘇ってきて、事前のミーティングから「今日が人生最後」として、取り組めた気がします。

撮影中はどんなカットでも「なんとなく」がいっさいなくて、その場に関わるみんなで考え抜いたんです。俳優としての仕事にも近く、写真集ではシチュエーションごとにベストな1枚を撮れるまで粘りました。しっかりとしたテーマを据えて、作品を完成できた達成感もあります。

――取り組む中では「読者目線」も、大切にしていたそうですね。

前田 誰にどんな気持ちで読んでほしいか、手に取っていただきたいか。そのために必要なもの、いらないものは何かと考えたんです。写真のセレクトでは「絶対にこのカットがいい」と意固地にならず、スタッフさんからの意見も取り入れました。

過去に独りよがりで失敗した経験もあったし、自分だけの「いい」は人に伝わらないと思っていて。自分からみた「いい」と他の方から見た「いい」は違うし、俳優の仕事でも「大丈夫かな」と不安になった演技の方が、意外と人に評価されたりするんです。今、そうして冷静に考えられるのは過去の経験によるものですし、写真集でもその視点をふまえて、熱量をもって臨めました。