1st EPはソロプロジェクトaillyとしての答えが出せた作品に
――音楽とラジオそれぞれが成熟しつつあるこのタイミングで、ソロプロジェクトをスタートさせることができた今の心境はいかがでしょう?
ailly すごくバッチリなタイミングでスタートできたなと思っています。ラジオパーソナリティとして喋っている時は、ガチャピンのアンジーとしてステージに立っている時とはまた少し違う感覚なんですよね。今回のソロプロジェクト名aillyは私の本名から来ているんですけど、ラジオは本来の自分に近い状態でお話させてもらっていると感じています。バンドでのアンジーとソロプロジェクトaillyでは音楽性も言葉の紡ぎ方もまったく違うんですけど、ちょうどその真ん中にラジオがあって、懸け橋になってくれているなという感覚です。ステージ上では見られないアンジーの言葉が聴ける場所がラジオで、さらに自分の言葉で音楽を届けようと思って作ったのがaillyなので、本当に絶妙なタイミングでスタートできたなと思っています。

――間もなく全6曲入りの1st EPがリリースされますが、アンジーさんにとってどんな作品になりましたか?
ailly aillyとしての答えが出せたEPになったと思っています。それが世の中の意見と一致するのか?乖離するのか?今とてもワクワクしていますね。でも、どっちでもいいというか、そういう面倒くさい部分も集約した作品なので、新しい私の名刺ができたと思っていますし、新しい一面に触れながらも、どこか安心感も得られるような作品になっているんじゃないかなと思っています。
――ラジオと落語の特典CDが付くところもアンジーさんらしいですよね?
ailly そうですよね(笑)。バンドからソロ活動をスタートさせたアーティストで、落語をCDに入れた方はいないと思いますし、私にとってはラジオも大切な存在なので、ここでしか聴けないラジオ番組も収録させていただきました。流石にこれは私にしかできないラインナップなんじゃないかなと思っています。
――では、ここからダイジェスト的にはなりますが、1st EP『ailly』の収録曲について聞かせてください。まずは1曲目の「噺々-2026ver-」について。
ailly この曲は私が大切にしている寄席や古典芸能、そして、岡本太郎さんの言葉も入れながら、コミカルに怒りを表現した楽曲です。「あぁ、もう死んでやる!」という歌詞から始まる曲で、そういう言葉を言うのは良くないと言われるんですけど、そのくらい本気で生きている人はたくさんいるし、それを口に出せない、口に出しちゃいけないみたいな世の中の空気感が私的には生き辛いことだなと思って…。もう死んでやると思うくらい本気で何かと向き合ったり、向き合えずとも生きることをちゃんと選択して日々を送ったりしていることはかっこいいことだと思っているので、そんな人達の思いも代弁しています。私自身、ものすごく怒りに満ちた状態でこの歌詞を書き始めたので、怒りや負の感情だけで音楽を消費したくないなという思いもあって、それなら私が悲しい時や落ち込んだ時に元気をもらっている寄席や岡本太郎さんの言葉を借りて、コミカルに怒りを表現しようと思って作った1曲です。本当に今の自分が言いたいことが全部詰まった曲になりました。
――この曲から始まるところにも、アンジーさんの強い意志を感じました。続いて、2曲目の「EXP」、3曲目の「ガールズトーク」というyonigeの牛丸ありささんが作曲を手がけた2曲について教えてください。
ailly この2曲は牛丸ありささんと編曲やバンマス(バンドマスター)を担当してくれている加藤綾太さんと3人で話し合いながら作りました。もともとyonigeが大好きだったので、リスペクトを込めて、リスナーとして聴いてきた私の立ち位置で歌詞を書かせてもらっています。「EXP」の歌詞に出てくる「バイバイ」は、yonigeの「アボカド」から引っ張ってきたものです。
――「EXP」は恋愛の曲なのかな?とも感じましたが…。
ailly 確かに、恋愛っぽいねと言われることが多いですね。私はあまり恋愛をテーマに曲を書いたことがなくて、この曲は私自身の人間関係を恋愛にも置き換えられるように書いたつもりです。とてもストイックで深みのある演奏だったので、あえて言葉は比喩表現とかではなく、分かりやすい言葉を使おうと意識しながら書きました。ただ、演奏とのギャップを見せたくて、可愛らしい「プリン」というワードを入れたりもしながら、言っていることは惨いというか…。楽曲とのバランスを取りながら歌詞を書いていきました。
――「ガールズトーク」の方はテーマが先にあったのですか?
ailly そうですね。まさにガールズトークをテーマに曲を作ろうというところから始まりました。牛丸ありさちゃんとは普段から本当に仲良くさせていただいていて、aillyが始まった時にもたくさん力を貸してもらったので、彼女との思い出も含まれています。友達に対する憧れや愛しさ、恋心を抱きながらも友情関係として成立している女の子特有のちょっと恋愛っぽいような友情を描きたいなと思って歌詞を書きました。
