2面性があるようで1人みたいなところが自分らしい

――完成した写真集を見て、どんな印象を持ちましたか。

黒川 撮影中も撮りながら見せていただいたり、末長さんがその日の夜に写真をまとめてくれたりしたので、どういう仕上がりなのかは、なんとなく分かっていたんです。でも、みなさんが配置をどうするか、どういう構成にするかというディレクションを何度も重ねてくださって。1冊の本になると見え方も違って、すごく感動しました。

――旅をしながらの撮影ということで、写真は膨大な数だったのではないでしょうか。

黒川 1万枚以上、撮っていただいたらしくて、そこから選ぶ作業が一番大変だったと思います。色校でも見せていただいたのですが、本になると全部がまとまるというか、1つの物語になったような気がして。撮影は昨年の11月だったのですが、1冊になって見返すと、「こんな自分がいたのか」と思うカットがたくさんあって。まだそんなに時間が経っていないのに不思議な感覚でした。

――2種類の表紙写真はどのように決まったのでしょうか。

黒川 通常版の表紙は、アートディレクションの柿﨑裕生さんと末長さんが薦めてくださった写真で、Amazon限定版の表紙は僕が推した写真です。光が当たっているところと陰になっているところで全然違う顔に見えるんですけど、それが自分らしいというか、2面性があるようで1人みたいなところがあって、どちらも大好きです。

――写真集を通じて、新たな発見はありましたか。

黒川 カメラの話になるんですが、それまでクロスフィルターというレンズフィルターを知らなかったんです。現場で末長さんに使い方を教えていただいたんですが、光の当たり方によって全然違う表情になるということを学びました。あと写真集を見て、いろんな顔が自分にはあるんだなって思う一方で、自分以上に自分だったなという思いもあります。

――写真集を見せた時の、ご家族の反応はいかがでしたか。

黒川 タイ人のお父さんが、写真集を手に取ってビックリしていて。というのもタイには写真集の文化がないらしく、「何これ?全部、想矢じゃん」と言うんです。「そりゃそうだろう。何言ってるんだ」と思いましたが(笑)。すごく家族も喜んでくれました。

――友達には見せましたか?

黒川 恥ずかしいので見せてないです……。できれば手に取ってほしくないです(笑)。

――末長さんからカメラをもらったというお話がありましたが、どういう写真を撮ることが多いんですか。

黒川 人を撮るのが好きです。末長さんの影響も大きいのですが、お仕事で一緒になった方を撮らせてもらったり、学校の友達を撮ったり。撮影現場にもカメラを持っていくことが多いんですが、撮ると仲良くなれる気がするというか、撮ることがコミュニケーションのきっかけになるんです。あとカメラを持っている同世代の俳優も多くて、「使い方が分からないんだけど」みたいな話から会話が始まったりして、すごくいいなって思います。