お仕事があるから勉強があって、勉強があるからお仕事がある
――フィルムカメラも所有しているそうですね。
黒川 別のカメラマンさんからCanon Pという古いフィルムカメラをいただきました。ただフィルムが高価なので、シャッターを切るたびに手が震えるんですよ(笑)。しかも映ってなかったら本当に悲惨で。でも、手間をかけて撮った写真って、デジタルにはない良さがあるんですよね。

――自分で現像もされているんですか。
黒川 高校で写真部に所属していて、学校に暗室を作っている最中なんですけど、現像から焼き付けまで自分でやろうと考えています。やってみたこともあるんですが、真っ白になったり真っ黒になったりして(笑)。繊細な作業だからこその楽しさがあるんですよね。今は化学の先生と相談しながらやっています。
――写真部は何人くらいいるんですか。
黒川 30人くらいいるので、けっこうな人数です。明日は学校に泊まって、校内で撮影するんですが、活動的な部活だと思います。
――キャリアについてもお伺いします。5歳から芸能活動を始めていますが、自分の意思で、俳優でやっていこうと思ったのは、いつ頃ですか。
黒川 実は小学6年生の時に、思うようにお仕事がいただけなくて、辞めようと思ったことがあったんです。今も自信はないのですが、当時は俳優一本でやっていけるとは到底思えなくて……。ただ『怪物』の現場で初めて経験することが多くて、驚きの連続でしたし、大変ではありましたが、心から楽しいと思える瞬間もあって。そこで演技が大好きだと思えるようになったのかなと思います。
――学校との両立はいかがですか。
黒川 お仕事があるから勉強があって、勉強があるからお仕事がある、という気持ちでいて。どっちも忙しいほうが僕は上手くいくのかなと感じています。
――写真以外でハマっていることはありますか。
黒川 最近は文章を書くことにハマっています。去年の夏頃から、映画の脚本を書いているんですけど一生終わらなくて(笑)。誰かに見せるとかではなく、純粋に書きたいという気持ちから始めました。最初に手書きで落書きみたいにプロットを一通り書いて、それを文字に起こしているんですが、それが難しくて。文字にすると、「なんでこのシーンが必要なのか」みたいな矛盾が出てくるんですよね。読むことと書くことは似ている気がしていて、そうやって書きながら考えるのも面白いんです。

――普段はどんな本を読むんですか。
黒川 通っている高校は、どちらかというと文系なんですが、普段は宇宙関連の本をよく読みます。だから理科部の生徒役を演じた映画『この夏の星を見る』(25)の出演が決まった時は奇跡だと思いました。
――もうすぐ新年度ですが、新たにチャレンジしたいことはありますか。
黒川 今回の写真集で光の当たり方によって全然違う表情が生まれるんだと知ったので、スタジオで光を使った撮影をやってみたいです。今はまだストロボすら持っていなくて、自然光だけで撮っているので、そのあたりも勉強して、ちょっとずつ挑戦していきたいですね。
――最後に『コバルト』を手に取ろうと思っている方にメッセージをお願いします。
黒川 僕が悩んでいることや思っていること、いろいろなものが写真の中に詰まっています。この写真集を通じて、見てくださった方々が少しでも何か変わってもらえたらいいなという気持ちで制作しました。僕と同世代の方はもちろん、上の世代の方々にも、「自分も十代の時は、こんなことを思っていたな」と懐かしく思い出していただけたらうれしいです。
INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI

