Takassyのセンスや好みを極限まで出し切ったアルバムに
――ここからはリード曲「Empowerment」についてお聞きします。毎回、リード曲はどのような起点から制作がスタートするのでしょうか?
Takassy 毎回、リード曲は「今、何を伝えたいか?」というところから深掘りしていき、タイトルやテーマを先に決めるところから始まります。個人的な話になるのですが、先月まで舞台に出させていただいていて、舞台前のインタビューで主人公についての質問を受けた時に、「弱さを隠している人こそ、本当に強い人だと思う」という話になったんですよね。いつの時代でも「弱さを隠している」、「本当の自分を見せない」ということはネガティブに捉えられがちですが、誰もが何かしら装って社会生活を送っていると思うんです。でも、それは決して悪いことではなく、装うということは理想の自分があるということだと思うので、自分をそう見せるようと努力している人、しかもそれを継続する力がある人が本当に強い人なのかなと感じました。そんなネガティブになりがちな気持ちを称えたい、嘘をついてまで自分を作ると決めた気持ちを称えたいという思いから始まり、3人でパフォーマンスするならどういった表現が良いのかと色々考え抜いて辿り着いた1曲です。
――とても興味深いお話でしたが、リード曲はそのようにテーマやタイトルありきで作っていくことが多いのですか?
Takassy 全部そうですね。アルバムの全てを表現する楽曲というわけではないですが、リード曲というのはMusic Videoも作りますし、一番聴いてもらう曲になると思うので、「今の私達のメッセージはこれです」という思いが最もダイレクトに伝わる曲じゃないといけないと思っています。雰囲気重視でやり切っちゃうという手法もあると思いますが、メッセージ性や歌詞、私達の佇まいやポリシーに共感してくださるファンの方が多いので、リード曲については今の私達が伝えたいことを一番に考えて作っています。
――HIDEKiSMさん、Kamusさんの曲の第一印象はいかがでしたか?
HIDEKiSM 私達は来年10周年を迎えるのですが、今の私達自身も勇気づけられる曲ですし、自分達のことも鼓舞できる曲だなと感じました。当然、私達も皆さんと同じく社会人として生きているので物価も高いし大変な世の中ですけど、こんな時代だからこそ、みんなで励まし合って自分を奮い立たせて生きていかなきゃいけないと思うので、今の時代にもとてもマッチした曲だと感じましたね。
Kamus 今までのリード曲はキャッチーで分かりやすい感じの曲が多かったのですが、今回は私達が活動を始めた頃にやっていたようなゴリゴリのクラブミュージックなので、この曲がリードになりますと聞いた時は最高だなと思いました。早くこの曲を世に出したいと思ってワクワクしたのを覚えています。曲の内容については、背中を押す応援ソングだと思うので、たくさんの方に聴いてもらって、一歩踏み出せるような、勇気づけられるような曲になったらいいなと思っています。
――ちなみに、Takassyさんの頭の中では、曲作りの段階でどのくらいイメージが固まっているものなのですか?
Takassy 私は歌詞と曲とアレンジが同時進行なので、作っている時には楽曲のイメージがだいたいできあがっています。さらに、3人でパフォーマンスするなら、こういう振り付けかなといった漠然としたイメージまで全部組み立てながら作っているので、毎回ほぼほぼ完成した状態で提示するのですが、自分のイメージだけでやり切ってしまったらそれはもうグループではないので、他の方の意見を聞いたり、振付をお願いする時にはイメージだけ伝えてお任せしたりしています。
――色々と興味深いお話が続いていますが、Takassyさん的に今回のミニアルバムでの新たな挑戦を挙げるとしたらどのようなところでしょうか?
Takassy 今回は新たな挑戦というよりも、もともと持っている自分のセンスや好みを極限まで深掘りしたアルバムになったと思っています。今までは楽曲ごとに良い意味で耳馴染みがいいように自分のやりたいことを薄めて作っていた部分もあったのですが、今回はそういうことは一切考えず、マニアックでもいいのかなと思って追及しました。レコード会社の方からもお許しをいただいたので、キャッチーさとかメインストリームということを無視して、私が本当にやりたいこと、やりたい音で作りました。なので、今まで自分の中にあったものを全部ダイレクトに出し切ったという感覚ですね。一切忖度せずにやり切ったアルバムだと思っています。
