人間を描くことに定評のある監督の作品に出たい
――キャリアについてお伺いします。小さい頃からお芝居に興味はあったんですか?
酒井 小さい頃から映画が好きだったんですけど、俳優になろうとは考えたこともなくて、夢はサッカー選手になることでした。ただ、小学1年生から高校3年生までサッカーをしていたんですけど、高校に進学したタイミングで、プロは無理だなと挫折して。高校時代は全国大会に出るのを目標に頑張っていました。
――どうして無理だなと思ったんですか?
酒井 中学のサッカー部が強豪だったのですが、そこで諦めずに一花咲かせたいという意気込みで高校のサッカー部に入ったんです。でも1年生のときに試合に出られなくて、このレベルでは難しいなと悟ったんです。サッカー部を引退し、何も目標がなくなってしまったときに、自分に興味のあることは何だろうと考えて。そのときにパッと頭に浮かんだのが映画で、演じる側になりたいなと漠然と思ったのが、この世界に興味を持ったきっかけです。
――どういう映画が好きだったんですか。
酒井 お父さんがアクション映画好きで、その影響で小学生のときは『ミッション:インポッシブル』などのハリウッド映画や、ジャッキーチェンの映画を観ていました。徐々にヒューマン系の映画を観るようになって、高校生のときはフランス映画が好きでした。特にヌーヴェルヴァーグの監督が好きで、フランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダール、エリック・ロメールを観ていました。作品で言うと、ロメールの『夏物語』、ゴダールの『男性・女性』が印象に残っています。
――サッカー経験が今の仕事に活きている部分はありますか。
酒井 典型的な体育会系だったので、監督から厳しいことを言われることも多かったんですけど、そのときに「負けてたまるか!」という反骨精神が育まれてメンタルが強くなったと思います。「王様戦隊キングオージャー」の現場でも、時にはへこむこともありますが、そこから「負けてたまるか!」と這い上がれるのは12年間のサッカー経験があったからこそです。
――どんなときにお芝居のやりがいを感じますか。
酒井 ここ1、2か月なんですけど、たまにお芝居が終わった後、役に対して嘘をついていなかったなと感じることがあるんです。上手く相手に気持ちを伝えられたなとか、逆に相手の気持ちを素直に受け入れられたなとか、今の自分はギラだったなという感覚があるんです。そういうときにやりがいを感じます。
――今は「王様戦隊キングオージャー」に全力投球だと思いますが、ドラマが終わった後、どんな作品に出たいと考えていますか。
酒井 僕はヒューマン系の邦画も大好きなので、人間を描くことに定評のある監督の作品に出てみたいです。
Information
映画『王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン』
2023年7月28日(金)全国ロードショー
酒井大成 渡辺碧斗 村上愛花 平川結月 佳久創 池田匡志
佐倉綾音/雛形あきこ/中村獅童
原作:八手三郎 脚本:高野水登
音楽:坂部剛 アクション監督:渡辺淳
監督:上堀内佳寿也
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PHOTOGRAPHER:TOSHIMASA TAKEDA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI