中学時代に自作したゲームの「ピコピコ音のBGM」が作曲の原点に
――本業は会社取締役であり、プログラマだと伺いました。
CHEEBOW 主にiPhoneアプリの開発です。会社では業務委託での依頼が多く、ここ数年、スタートアップ立ち上げに伴うサービスのアプリをゼロから開発してきましたが、最近では、すでにリリースされている既存アプリの機能開発を行っています。
――その一方で、週末音楽家として活躍されていると。
CHEEBOW 肩書きのとおりで、作曲をするのは土日祝日だけです。平日は基本的に8〜17時までアプリ開発の仕事で、音楽の作業は、レコーディング音源や歌詞をチェックする程度。作曲ソフトを立ち上げることなく、夜は20時頃に帰宅する妻と一緒にお酒を飲み、ご飯を食べて寝ます(笑)。
――なぜ、週末音楽家の肩書きで?
CHEEBOW 単純に平日の仕事が忙しく、帰宅後に音楽を作るほどの余力がないんですよ。土日祝日は、妻が「出かけたい」と言うタイプでもないので、音楽の作業に没頭しています。だから、昔から変わらず、ただ名乗っているだけではなく、本当に「週末音楽家」なんです。平日に音源の修正依頼が来てもほとんどは対応できないので、依頼してくださる方も「平日に頼んでも動いてもらえないだろう」と受け入れてくださっているのか、無茶な対応もないのはありがたいです。
――作曲はいつから、はじめたのでしょう?
CHEEBOW 振り返ると、中学時代からです。BASIC(プログラム言語の一つ)やマシン語でプログラミングをやりはじめて、簡単なゲームを作ってピコピコ音のBGMも自作していたんです。その後、高校時代にかけて当時あった雑誌に自作のプログラムを投稿して、掲載の謝礼でもらったお金を貯めて、YAMAHAのMSXというコンピュータを買い、シーケンサーのソフトも買って。そこからですね、今で言うDTMの走りみたいなことをやっていました。
――大学時代も、音楽との関わりは変わらず?
CHEEBOW そうですね。工学院大学の電子工学科で、当時は小さなポケコンで作ったレポート作成用のプログラムを友人に売って、お小遣いを稼ぐような大学生活でした(笑)。元々、中学時代や高校時代に小説も書いていたので「ミステリー研究会があれば」と思ったものの、大学になかったので、代わりにSF研究会に入ったんです。そのサークルにたまたま、シンセサイザーマニアの友人がいて、僕もしょっちゅう彼の家に行って、曲を作っていました。
――ずっと首尾一貫で、作曲に関わってきたんですね。
CHEEBOW 今は作曲が仕事になっただけで、それ以外は変わっていないと思います。純粋に、音楽を作ること自体が好きだったんですよ。特にアレンジが好きで、ギターにドラム、ベース…と、音色を重ねていくのが好きだったんですよね。自作曲を同人イベントで販売していたこともありましたが、誰かに聴いてほしいというより、自分の「音楽を作るのが好き」の気持ちが勝っているのは昔も今も変わりません。