草川拓弥さんのアドバイスがモノローグの参考になった
――『ビジネス婚―好きになったら離婚します―』で初ラブコメにチャレンジしていますが、出演が決まったときのお気持ちはいかがでしたか。
菅井友香(以下、菅井) 私でいいんだろうかとビックリしましたが、原作を読ませていただいて(佐山)雅に共感できるところが幾つもあったので、ぜひ挑戦させていただきたいと思いました。
――どういうところに共感したのでしょうか。
菅井 仕事を一生懸命頑張っていて、それがドラマの軸になっているところも共感しますし、洋服を買うときに、自分の好きじゃなくて、どう見られるか、どうしたら恥をかかないか、骨格ウェーブなど自分の体型と合うかどうかを優先して選ぶところも、すごく分かりました。私も以前から体型に悩んでいて、それを意識して洋服を選ぶことが多いので、骨格ウェーブに合う服装について雅が語るシーンを読んだときに、より雅を演じたいと思いました。仮台本では、そのセリフがなかったので足していただいたぐらいです(笑)。
――雅は不動産に勤める敏腕営業マンですが、職種は違っていても共感ポイントがあるんですね。
菅井 雅は両親に家を買いたいという目標があって、たまに疲れてしまうこともあるけど、仕事をバリバリ頑張って、生き生きしていて。私も両親に恩返しがしたいと思いながらお仕事をしているので、そういう面でもすぐに雅をイメージすることができました。
――バリキャリ女子の雅を演じる上で意識したことはありますか。
菅井 いつも仕事を頑張っているし、周りから評価もされているんですが、自分よりも人のことを考えてしまう部分があって。たとえば恋愛でも相手に合わせてしまって、自分から好きになったことがないと言った、バリキャリ女子だけど、恋に不器用というギャップを、メリハリをつけて出せるように意識しました。
――ビジュアル面ではいかがですか。
菅井 原作の雅が素敵な髪色だったので、綺麗な色を髪に乗せて少しでも雅に近づけながらもリアリティのある赤茶色にできたらいいなと、美容室に髪を染めに行きました。
――モノローグが多いですが、普段のお芝居と違って大変だったのではないでしょうか。
菅井 こういうスタイルのお芝居は初めてだったので難しかったです。会話をしている最中にモノローグが入るから、間を作らなければならないので、最初は苦戦しました。そしたら草川(拓弥)さんが、「『みなと商事コインランドリー』というドラマもモノローグが多くて。確かにお芝居の間ができちゃうけど、視聴者に分かりやすく伝える間だから、自分の気持ちに間を開けずにやっていいんだよ」というお話をしてくださって、それが参考になりました。エピソードごとに監督が異なるのですが、モノローグのアフレコもそれぞれの監督が丁寧に、こだわって録ってくださって勉強になりました。
――雅がビジネス婚をするハイスぺ社長・堂ノ瀬司を演じた草川さんとは初共演ですよね。
菅井 お芝居でご一緒させていただくのは初めてなのですが、グループ時代にフェスで超特急さんと共演させていただいたことがありました。
――草川さんの印象はいかがでしたか。
菅井 今回のドラマはリハーサルを事前に行って、カメラ割りも全て決めてから、本番を迎えるというスタイルだったのですが、リハーサルの時点で草川さんは、しっかりと監督に意見を伝えていらっしゃり、私にも勉強になる言葉をかけてくださったりと、真摯に作品と向き合われている方という印象がありました。ただクランクインの日は初め、会話が少ししか続かなくて(笑)、どうやって距離を縮めていけばいいのかと考えていたんですが、その日の夕食休憩のときにお話する機会があったので、人見知りであること、この作品への思いなどを草川さんに話したら、草川さんも人見知りで、作品を良くしたい気持ちは一緒であることを仰っていて。それからは日を重ねるごとに、フランクにお話することができました。
――菅井さん自身、司のどういうところに惹かれますか。
菅井 お仕事の面もですが、雅に対して必要な言葉をかけてくれるんです。なかなか雅が人に言えなかった苦手なものや好きなこと、そういうものを全て吐き出せるような言葉をかけてくれるところが素敵だと思います。司さんのおかげで、雅は好きな人の前でも自然体でいられるようになって、前よりも自分のことも好きになれる。すごく素敵な出会いだと演じながら感じていました。