2nd EPは愛を歌った全5曲収録の自信作

――シンガーソングライターとして活動を開始して、1年が経ちましたが、この1年間を振り返ってみていかがですか?

矢作萌夏(以下、矢作) とても成長した1年だったなと思います。1ヶ月毎、いや、1週間毎に自分が変わっているような…そんな1年でした。

――“成長”という言葉が出ましたが、ご自身で成長を感じる部分はどんなところでしょうか?

矢作 ギターレッスンやボイストレーニングもやらせていただいていたので、その成果が見えてきているなと自分でも思いますし、まわりの方から褒めていただくことも増えてきたので、もちろんまだまだ未熟な部分もありますけど、この1年で少しずつ成長できたのかなと思っています。つい最近も、プロデューサーの宗本康兵さんから「歌上手くなったよね」と褒めていただいて、嬉しくて泣きそうになりました。

――間もなくEPがリリースされますね。配信が主流となりつつある今、EPという作品としてリリースできるということは、アーティストとして嬉しいことなのではないでしょうか?

矢作 今年もこうしてEPを出させてもらえるのは本当に嬉しいことだと思っています。前回のEPよりも、自分らしい作品になりましたし、テーマも統一しているので、多くの方に共感してもらえる作品になったのではないかなと思っています。自信作です。

――発売前の今の心境はいかがですか?

矢作 早くみんなに聴いてほしい!と言うアーティストの気持ちがよく分かりました(笑)。本当に早く聴いてもらって、どう感じたのか?どう受け止めたのか?感想を聞いてみたいです。

――では、ここからは、EPについて具体的に聞いていきたいのですが、まず、タイトルの『愛を求めているのに』は、どのタイミングで決まったのでしょうか?

矢作 収録曲5曲が決まってから考えたんですけど、とても悩んでしまって、なかなか決まらなかったんです。色々と身近にあるものに例えてみたりもしたんですけど、あまり良いタイトルが出てこなくて…。ある日、家に帰って考えている時に、全部愛のことを歌っているし、私のネガな部分も表現された含みのあるタイトルで良いかもなと思って、タイトル案の中にあった『愛を求めているのに』に決めました。

――ジャケット写真もインパクトがありますよね?

矢作 そうなんです。まさに愛を探しているという感じで…。冷蔵庫の中まで愛を探して覗き込んでいるというコンセプトで撮っていただきました。1st EPの時の真っ白なベレー帽のジャケ写と比べると、新しい私が表現されているジャケ写だなと感じていますし、とても気に入っています。

――今回収録された5曲は、いつ頃作った曲なのでしょうか?

矢作 最後の「死に花に、⽣命を」は18歳の頃に書いた曲なんですけど、それ以外は最近というか、ここ1~2年以内に作った曲です。前回のEPには難航した曲も入っていたんですけど、今回は比較的すぐに出来た曲が多かったですし、選曲もすぐに決まって、しかも5曲がとても良い感じに繋がった1枚になっていると思っています。

――そんな中、「満たされない」という曲を1曲目に選んだ理由は何でしょうか?

矢作 自分でも歌詞がすごく好きな曲で、まさに満たされていない現代の女の子に聴いてほしいなと思っています。やっぱり、情報や物が溢れ過ぎていて、何で満たされるのかが分からないような社会だなと私も思っているので、そんなメッセージを込めています。同世代の女の子に聴いてほしいと思って作った1曲です。

――「今思えば 穢れ腐ったこの世の中で 綺麗だったのは 君の涙ぐらいだったかも」という歌詞など、とてもハッとさせられたのですが、曲作りについても是非教えてください。普段から、歌詞の元になるような言葉を書き溜めていたりもするのですか?

矢作 曲作りには色んなパターンがあって、パッと歌詞が浮かんでくる時もありますし、それこそ、この曲はいわゆる“詞先”で、19歳の頃に書いていた歌詞にあとからメロディを付けて2年前くらいに出来上がった曲です。他にも、iPhoneのメモ帳にはたくさん歌詞が眠っていると思います。でも、そこから曲を作るということは実はあまりなくて、リリースされている曲は、だいたい歌詞とメロディが同時に出来たという曲が多いので、私にはそっちの作り方の方が合っているのかなと最近は思っています。

――この曲がちょっと特別というか、作り方としては珍しいパターンだったのですね。でも、EPの1曲目にするということで、思い入れも強かったのでしょうか?

矢作 前回のEPは爽やかな楽曲が多かったイメージですけど、「満たされない」は今までにはない曲調ですし、これからの矢作萌夏はこういう楽曲を歌っていきたいんだ!ということをアピール出来たらいいなと思って、1曲目にしました。