不安もありながら反響は上々“ロングインタビュー”では「大変だった思い出」も

――自身初のフォト&スタイルブック『ももいろクローバーZ 百田夏菜子フォト&スタイルブック えくぼは恋の落とし穴♡ Anniversary30』を出版してから、日が経ちました。反響はいかがですか?

百田夏菜子(以下、百田) 出版前は「どんなふうに受け取ってもらえるのかな」と、緊張感があったんです。でも、いざ発売日を迎えたらたくさんの方が喜んでくださって、お渡し会では「夏菜子ちゃんと同じ化粧品を買いました」とか、うれしい言葉もたくさんいただきました。モノノフ(ももいろクローバーZのファンの愛称)さんと直接お話しできるイベントは十数年ぶりで、会場でパネルの前に本が並んでいる光景を見て「ニュースでよく見るやつだ!」と、テンションが上がりました(笑)。

――(笑)。2024年7月で30歳になったのを記念したフォト&スタイルブックは、人生を振り返るロングインタビュー、ファンからの質問に回答する100問のQ&A、私服紹介ページ、こだわりの美容特集など、企画が盛りだくさんです。

百田 たしかに、今まで見せたことがなかった部分を切り取っているかもしれません。私物をここまで紹介することはなかったし、幼少期を深く振り返る機会もなかったです。制作の工程はすべてが新鮮で、自分と向き合う時間も多かったです。

――それこそ計15ページにおよぶロングインタビューのページでは、幼少期から30歳の現在までを詳細にたどっていますね。

百田 楽しかった思い出を話す機会はたくさんありますけど、大変だった思い出はあんまり話してこなかったんです。グループがとことん忙しかったときに「ついていけないかもしれない」と思いながらも、必死に取り組んでいたなとか。振り返ってみると「実は…」と話せるエピソードもあったし、「言わないように」と考えていたわけではなく、自然と伝えられるようになったのかなと思います。

――出版の話を聞いた当時は、その時々にあった自身の思いをつぶさに明かそうとは思っていましたか?

百田 自分を出す本をイメージしていたけど「普段のライフスタイルを詰め込む本」だと聞いて、正直、得意分野ではないと思ったんです。自分のことを伝えるのは得意ではなくて、プライベートでも友だちの話を聞くのが好きだし、誰かに披露できるほどの引き出しが自分にあるのかも分からなくて。みなさんは「どんな私を見たいんだろう」と、考えが行ったり来たりしていました。でも、自然体でラフに、近しい距離感で温度が伝わる作品になればと思って、撮影地では自分がリラックスできる地元の静岡県を選びました。

――グループでのメンバーカラーを彷ふつとさせる赤のドレスを着て、畑を背景にアクロバティックなポーズを決めるカットなどがありますね。

百田 私といえば、アクロバティックなイメージかなと思ったので。カバー表紙を取った、本体の表紙にある三点倒立のカットは特に気に入っています。色々な場所を巡っているうちに「三点倒立できます!」と言って、撮っていただいたカットなんです。ダイナミックにジャンプしたり、駆け回ったり、フォト&スタイルブックでは自分らしいカットにたくさん挑戦しました