初めは芸能活動に反対していた祖父も今は“孫”の活躍を温かく見守る
――スカウトにより、このグループへ加入した経緯は?
RION 表舞台への憧れが強くて、じつは、中学時代に芸能事務所のオーディションも受けていたんですよ。周囲のお母さんにも「芸能界へ入りなよ」と言われていたのも、芸能界への憧れが強くなった理由で。歌とダンスに挑戦したい気持ちもあったけど、中学から高校にかけてはテニス部に打ち込むようになり、次第に薄れていったんです。部活のなくなった大学時代はポートレートモデルも経験して、就職活動中にスカウトされました。
ただ、家族の会社へ就職したい意思もあったし、私立に通わせてもらった親への恩返しもしたいから「どうしよう」と思って。でも、やりたいし「芸能界に入っても恩返しができるのでは」と思って、当時の年齢で熱をそそげるものは何かを考えた上で21歳で決断して、グループに加入しました。
――決断したとき、ご家族はどのような反応をしていたんでしょう?
RION 結論を先に言ってしまうと、おじいちゃんからは「失望した」と言われました。でも、必死に説明したら職人らしく「一つのものをきわめるには十年かかる。それでもいいなら本気でやれ」と言ってくれて、今では応援してくれています。一人っ子なので母親はライブのために京都から上京してくれて、おじいちゃんやおばあちゃんは高齢ですし東京へ来るのは厳しいんですけど、8月に都内で出演するイベントはこっそり見に来ようとしているみたいで(笑)。グループ加入後、自分から連絡するために僕が家族のLINEグループを作って、深夜番組でもリアルタイムで見てくれたり、母づたいに聞いた限りですがうれしいです。
――最後、この先の目標をお願いします。
RION 第一目標は、家族に認めてもらうことです。なおかつ、これからやりたいことは「プロになりたい」の一言です。歌もダンスも、初見であっても心をつかめる人になりたいし、自分が好きなことをやっている責任を感じてしまうので、下手なことはできないし、一つひとつの作品と向き合い自分を出せるように。ずっと、その状態をキープしていきたいです。いずれ、ブルーノート東京でマイク片手に、ディナーショーを開催できるアーティストが理想像です。
ODDLORE Special interview(全7回)
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ODDLORE 「コンプレックスやトラウマをポジティブに変えて”これがODDLOREなんだ”と打ち出せるように」INTERVIEW
ODDLORE
“俺は俺のままで最高だ。なんて、いつか本気で言ってみたい”。ひとりと繋がる、音楽的私小説 ODDLORE(オッドロア)。見た目、性格、家庭環境、学歴、出自、性など異なるコンプレックスを抱えたKOYA、RION、RYUICHIRO、RIKITO、JOSH、YUIの6名がスカウトによって集められ結成。音楽・MV・ドキュメンタリーなど、発表したその作品すべてが〝音楽的私小説〟として描かれ、私小説で綴られるメンバーそれぞれの想いがリスナーひとりひとりの心にも寄り添い、リンクしていく新感覚のボーイズグループ。2022年2月、EVIL LINE RECORDSよりデビュー。2023年8月16日にはメジャー1st ALBUMのリリース。
PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:SYUHEI KANKO