グループ加入で少しずつ自分のアイデンティティが見えてきた
――グループのコンセプトは「コンプレックス」ですが、RIKITOさんのコンプレックスとは?
RIKITO アメリカと日本のハーフなので見た目が違うのはありますね。格闘技をやっていたおかげで身体的ないじめに遭ったことはないんですけど、見た目の違いから人に拒まれたり、仲間はずれにされたりはあって、幼い頃から敏感だったし怖かったです。だから、人目を気にして好かれる行動を自然と取るようになって。コソコソ話する人を見たら「俺のこと言ってる」と被害妄想も生まれてくるし、そのせいで自信もないんですよ。スポーツもダンスも、未経験であっても「絶対できるよね」と期待されるし、応えられなければ「残念な外国人」と偏見を持たれるプレッシャーもあり、今も思い込んでしまうときはあります。
――日々、どのような気持ちを抱えていますか?
RIKITO 演じているわけではないけど、自然と他人から見て「いい行動とは何か」を考えてしまうというか。このグループへ加入してから考えたことで、自我やアイデンティティを持ちづらいんですよ。だから、自分はどうしたいのか、どうなりたいのかを常に考えています。でも、加入後に変化もありました。特に、1stアルバム『ONE BY ONE』収録の自分にフォーカスした楽曲「where I belong」の制作では自分と向き合って何がしたいのかを考えるようになったんです。その答えの一つとして、いずれは、自分で作った歌詞やトラックで踊るアーティストになりたいという夢もできました。
――グループ加入が、変化のきっかけになったんですね。
RIKITO 本当、そうだと思います。活動を通して、自分の思う“アート”を表現し続けていきたいのが今の目標ですね。アーティストと呼ばれるようになりたいので、自分の好きな音楽を確立させていきたいです。芸能界入りのきっかけとなったモデル業に、並行して頑張っていきたいと思っています。個人でも目立てる場所を作れたら、“ODDLORE”のチャンスも広げられると思っているんですよ。アーティストとして戦いながらモデルでも活躍する“二足のわらじ”で、走り続ける未来を描いています。満足したら終わりでしょうし、僕が元々、満足できない人間なので。たとえ壁にぶつかっても、逃げずに頑張っていきたいです。
ODDLORE Special interview(全7回)
ODDLORE YUI「男性として求められる要素では勝てないので、振り切って中性的に振る舞おうと切り替えた」INTERVIEW
ODDLORE 「コンプレックスやトラウマをポジティブに変えて”これがODDLOREなんだ”と打ち出せるように」INTERVIEW
ODDLORE
“俺は俺のままで最高だ。なんて、いつか本気で言ってみたい”。ひとりと繋がる、音楽的私小説 ODDLORE(オッドロア)。見た目、性格、家庭環境、学歴、出自、性など異なるコンプレックスを抱えたKOYA、RION、RYUICHIRO、RIKITO、JOSH、YUIの6名がスカウトによって集められ結成。音楽・MV・ドキュメンタリーなど、発表したその作品すべてが〝音楽的私小説〟として描かれ、私小説で綴られるメンバーそれぞれの想いがリスナーひとりひとりの心にも寄り添い、リンクしていく新感覚のボーイズグループ。2022年2月、EVIL LINE RECORDSよりデビュー。2023年8月16日にはメジャー1st ALBUMのリリース。
PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:SYUHEI KANKO