ちょっと駄目な男だけど、それが自分は演じやすい

――中川さんは『コタツがない家』にて徳丸康彦を演じています。はじめにドラマ出演のオファーを受けたときのお気持ちを聞かせてください。

中川大輔(以下、中川) 夏クールのドラマで小池(栄子)さんと親子役で出演させていただいたとき、また共演したいと思っていたんですが、まさかこんなに早く再会できるなんてと驚きました。出演が決まった段階で小池さんに「ご一緒させていただきます」と報告したら「嬉しい!」と言ってくれて、喜びと安心感がありました。また、脚本は『俺の話は長い』(NTV)などで知られている金子茂樹さんで、コメディタッチで独特なテンポ感のある作風が好きだったんです。お芝居に関しては、僕はどこかゆったりしている部分があり、それが個性でもあり弱点でもあると捉えているのですが、今作のようなコメディタッチの作品は演じる上でテンポ感に気を付けることがものすごく大切になってくる。そういった感覚をしっかり身につけることを、このドラマ出演における一つの目標ともしています。

――中川さんが演じる康彦は、彼女である八塚志織(ホラン千秋)と同居し養ってもらいながら建築家を目指しているという役柄です。

中川 以前に出演した『花嫁未満エスケープ』(TX)もそうだったんですが、僕はなんだか結婚に難がある役が多いですね(笑)。先日、メンズノンノの撮影があったとき、仲のいいスタイリストさんから「中川はちゃんと仕事に行っていない役が多い」って言われたんですが、康彦自身、第一話からアルバイトを休んでしまっていますし、ちょっと駄目な男なのかなという印象。でも、自分ではそれが演じやすいというか、僕がそこまでしっかりとした人間ではないので(笑)。だからこそ自分の個性を生かせる役柄だと思っています。

――個性という点では、康彦は建築家になるという夢を持っていますが、中川さんも美術大学の建築学科を卒業されています。

中川 もしこの建築家を目指す設定が当て書きだったらすごく嬉しいですけど、実際どうなんだろう……。どちらにしても、役との共通点が多いということで演じやすいです。僕も昔、二級建築士の試験勉強をしていましたから。