初めての恋愛ドラマのヒロイン役に気恥ずかしさもあった
――ドラマ「君が死ぬまであと100日」のヒロイン役に決まったときは、どんなお気持ちでしたか。
豊嶋花(以下、豊嶋) がっつり恋愛もので、ザ・ヒロインというのが初めてだったので、もちろんワクワクはあったんですけど、緊張もありましたし、大丈夫かなという不安もありました。
――タイトルからも分かる通り、豊嶋さん演じる神崎うみは、特殊能力を持つ彼氏の津田林太郎(通称:たろー)に余命100日と告げられ、その日数をのばすために二人で奮闘します。暗くなりがちな題材ですが、ポジティブですよね。
豊嶋 そうなんですよ。余命幾ばくもないことが発覚しても、なるべくポジティブに日々を過ごすのが二人の良さです。
――脚本を読んだとき、どんな印象を受けましたか。
豊嶋 先に原作の漫画を読ませていただいたんですけど、うみちゃんがかわいくてしょうがなかったです。天真爛漫で無邪気、天然なんだけど憎めないので、癒されるなと。たろーもかっこいいというよりはかわいくて。二人の掛け合いが純粋で、キュンとくるシーンがたくさんあって。脚本を読んだときは、観た人が癒されるような二人を、たろー役の髙橋(優斗)さんと一緒に作り上げたられたらいいなと思いました。
――原作と脚本で違いはありましたか。
豊嶋 ストーリーに大きな違いはないんですけど、漫画ならではの良さ、実写ならではの良さがそれぞれあるなと思って。漫画はオーバーなリアクションでもかわいいですし、そこに違和感はありません。実写だと、あまりオーバーな演技だと違和感がありますが、その分、微妙な表情の変化や声色の変化で見せられる部分があります。そういう実写ならではの良さが脚本にはありましたし、漫画とはまた違った良さがあるなと。
――豊嶋さんは過去にも漫画が原作の作品に出演していますが、どういうことを意識していますか。
豊嶋 原作ファンの方々をがっかりさせたくないですし、原作者の右腹さんに「うみちゃんはこんな感じじゃないんだよな」と思われたらショックですし、「この子が、この役をやってくれて良かった」と思っていただけるようにと意識して演じています。
――豊嶋さん自身、漫画の実写化作品で素晴らしいと思った作品はありますか。
豊嶋 『DEATH NOTE』と『東京喰種トーキョーグール』です。2作品とも原作が大好きなんですが、実写化映画も素晴らし過ぎて衝撃を受けました。『DEATH NOTE』は松山ケンイチさんがLそのものでしたし、『東京喰種トーキョーグール』はカネキ(金木研)を演じた窪田正孝さんの演技が素晴らしくて!窪田さんはドラマ『デスノート』の夜神月も最高でした。
――うみは愛情表現などもストレートですが、演じていて気恥ずかしさみたいなものってありました?
豊嶋 ありました!
――即答ですね(笑)。
豊嶋 心は小学生みたいな女の子なので、その幼さをあざとく見えないように演じるのが難しくて……。私自身は「中身おじさんじゃない?」と言われることもあるので(笑)。ちゃんと、うみちゃんらしさを出せているのか心配な部分もありました。素でかわいらしいんだなって思っていただけるように演じられたらいいなと思いつつ、コメディ要素もあるので、リアルにやり過ぎると面白くなくなっちゃう部分もあって。本気で泣いたり慰めたりというシリアスなシーンと、コメディシーンの切り替えに気を付けました。
――しゃべり方だけではなく動きも独特ですよね。
豊嶋 そうなんですよ!走り方に気を使ったり、大袈裟なリアクションをしたり、けっこうアドリブでやったところもあります。一番多くの話数を担当されている林雅貴監督もそういうのが大好きなので、すごく気が合いました。