幼稚園の頃から続けていた水泳を、大病を患って断念

――『ぶっちぎり?!』は音楽も大きなポイントですが、お気に入りの一曲を挙げるとすると、どの曲でしょうか。

星野 Kroiさんのオープニング・テーマ「Sesame」です。12月23日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで舞台挨拶付き先行上映会があったんですが、入場するときに「Sesame」が流れてノリノリになりました。退場した後も、僕と野津山(幸宏)さんで一緒に「Sesame」を口ずさんでいました。若さを感じさせる素敵な曲で、ポップに仕上がっていて、戦闘シーンともすごい合うんですよね。

――星野さんも音楽好きとのことですが、普段はどういうアーティストを聴くんですか。

星野 amazarashiさんが大好きで、昨年末もライブに行ってきました。歌詞が刺さる曲が多いんですよね。

――学生時代にハマっていたアーティストは?

星野 兄の影響でGLAYさんが好きでした。あとはガールズバンドのZONE。この二組が僕の青春において二大巨頭です。中学時代、別のクラスに同じくZONEファンの友達がいて、一緒に解散ライブにも行きました。電車の乗り方も分からなかったんですが、友達にパソコンで調べてもらって、日本武道館まで行きました。しかも限定でサイン入り写真集が買えるということで、前日の夜に前乗りして、武道館の前で寝袋に入って寝たので、我ながらすごいことをやっていたなと(笑)。

――ギターも弾けるんですよね。

星野 小学校の高学年でアコギを始めて、中学生になってエレキギターを始めました。大好きなGLAYさんの曲もカバーしましたが、従兄弟のお兄ちゃんもギターをやっていて、よくザ・ベンチャーズを弾いていたんです。その影響で、僕も「パイプライン」「ダイアモンド・ヘッド」「ウォーク・ドント・ラン」などをカバーしていました。

――音楽の道に進みたいと考えたことはありましたか?

星野 バンドを始めた中学生のときはGLAYさんみたいになりたいと思っていましたけど、「ギターで飯を食っていこう!」というところまではいかなかったですね。

――声優のお仕事に興味を持ったのはいつ頃ですか?

星野 大きく興味を持ち始めたのは二十代前半です。

――ちょっと遅めですね。

星野 そうですね。もちろん声優という職業の存在は知っていましたし、僕は昔からゲームが好きなので、ゲーム内での声優さんのお芝居に感動することもありました。アニメも人並みには見ていたと思います。ただ、それまでは自分が声優になるという選択肢はありませんでした。

――どういうきっかけで興味を持ったのでしょうか。

星野 話は長くなってしまうんですが、僕は幼稚園の頃から水泳をやっていて、高校生の途中まで続けていたんです。ただ中学生のときに、潰瘍性大腸炎という指定難病になってしまって。それでも高校生の途中までは水泳を続けながら普通に生活していたんですが、高校2年生の途中で悪化してしまい、どんどん体力も落ちて、水泳を続けられなくなったんです。それからは学校にも通えない状態になってしまいました。先生の協力のおかげで、なんとか卒業はさせてもらったんですが、あまり学校に行けてなくて勉強の面でも周りに置いて行かれるような状況でした。しかも見た目的には難病と分からないような症状なので、クラスメイトから見たら辛さが伝わらなくて、休みがちな生徒だなと思われていたかもしれません。

――進路選択の時期に、大変な状況だったんですね。

星野 高校卒業後、かなり調子も良くなってきて、また勉強し直して、大学を目指すという選択肢も考えました。ただ、高校生の頃から何でも病気のせいにしてしまい、「普通の体だったら……」とネガティブになってしまい、眠れない夜も多かったんです。そんなときに出会ったのが深夜ドラマでした。ふとテレビを点けたら、深夜テレビが流れていて、何となく見ていくうちにハマって。その中で一番影響されたのが、『とらドラ!』というアニメでした。