演歌もグラビアも周囲から「いい」と褒めてもらえたから飛び込んだ
――演歌界では比較的、若い世代の印象があります。
望月 まだまだ、新人です。でも、年下の後輩もデビューしていますし、いつまでも「自分は若くない」と思っています。早く年齢を重ねたいし、いずれ「琉叶さんのようになりたい」と思ってもらえる先輩となれるように、頑張りたいです。
――2020年10月からは、5人のボカロPとコラボレーションする「5ヵ月連続配信企画」にも挑戦しました。
望月 演歌界に新たな風を吹き込みたいし、演歌になじみない印象の若い方々にも聴いていただきたいんです。ボカロPさんたちとの企画は、私からの発案でした。「レコード大賞」で新人賞をいただいてから「今なら、わがままも許されるかな?」と思い、事務所の社長に「中学時代から好きだったボカロの曲を歌いたい」とお願いしたら「OK」と許可が出て。他ジャンルの方々とのコラボレーションで、刺激を受けました。
――演歌歌手でありながら、グラビアアイドルとしても活動しています。
望月 アイドル時代がきっかけで、2019年にインドネシアへの遠征があったんです。ホテルの屋上にあったプールで、水着姿を見たメンバーが「いいスタイルしてるじゃん」と褒めてくれて、オフショットをアップしたら「グラビアもできそう」と言われて、やってみたいなって。演歌になじみのない若い方が「グラビアをきっかけに、興味を持っていただけるかな」と思ったのも、理由でした。
――演歌とグラビアは、世界が異なる印象もあります。
望月 ジャンルは関係なくて、私は、どんな仕事でもやりがいを持つと思うんです。演歌は歌を聴いた周りの人が「いい」と言ってくれたから進んだし、グラビアもアイドル時代のメンバーが「いい」と言ってくれたから進んだのは変わらずで、褒められるのは原動力ですし、期待していただけるのなら「頑張ります」という一心です。
――演歌歌手兼グラビアアイドルで、いわば二刀流。相乗効果もありそうです。
望月 入り口の異なるファン層の方々に応援していただけるし、すべてやっていてよかったと思います。演歌歌手としては『NHK紅白歌合戦』への出場が目標で、1人でも多く「望月琉叶の歌はいい」と言っていただけるように技術を磨いて、たくさんのステージをこなしていきたいです。グラビアでは、カメラマンさんに「いいね!」「ブラボー!」と言っていただけると楽しいし、調子が上がっちゃいます(笑)。何歳になっても、続けていたいです。
望月琉叶
1996年7月15日生まれ。神奈川県出身。幼少期から、母の影響で演歌を聴いて育つ。大学時代のスカウトを機にアイドルグループ「演歌女子ルピナス組」(のちの「民族ハッピー組」)へ加入し、芸能界デビュー。メンバーの当時、アイドルの歌唱力を競うコンテスト「歌うま決定戦」に出場し、細川たかし『望郷じょんから』を歌い上げて最高点を獲得。2020年7月に『失恋慕情』で日本コロムビアより、ソロ演歌歌手としてデビューした。2021年末には「第63回日本レコード大賞」で新人賞を受賞。2022年10月より、5人のボカロPとタッグを組む5ヵ月連続配信企画にも挑戦。2023年には『緋炎歌』『百年の冬』などをリリース。グラビアアイドルとしても活動し、広く支持を集める。
PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:SYUHEI KANEKO