「キャバ嬢役は任せてください!」という心持ちでした

――現在放映中の「RoOT / ルート」は、人気アニメ「オッドタクシー」の世界から生まれた実写ドラマですが、アニメのほうは観ましたか?

寺本莉緒(以下、寺本) 今回のオーディションに参加するにあたって観たんですが、良い意味でアニメっぽくないというか、新しい感覚の作品だなと感じました。それほど私はアニメを観るほうではないんですが、実写ドラマになるのを前提に観たので、すんなり受け入れられましたし、このアニメがどう映像化されるのか楽しみでした。

――どの段階で役柄が決まったんですか。

寺本 事前にキャストの方をお聞きしていなかったので、ゼロの状態でオーディション受けたんですが、確か第二選考のときに、私が演じるのは主人公・玲奈の高校時代の同級生で、上京を機会にイメチェンし売れっ子キャバ嬢の花音という役柄というのが明確になって。そこからは、「私は花音だ!」と思いながらオーディションに臨んで、選んでいただきました。

――Netflixシリーズ「サンクチュアリ -聖域-」で演じたのも、主人公・小瀬清と同郷のホステス・七海で、清を翻弄する役だったので、共通する部分がありますよね。

寺本 そのときの経験もあるので、「キャバ嬢役は任せてください!」という心持ちでした(笑)。

――ちなみに七海の評判はいかがでしたか?

寺本 すごく反響が大きくて、いろんな方に声をかけていただくことが多かったんですけど、七海と私のイメージが違い過ぎて、「『サンクチュアリ -聖域-』に出ていたの?全く分からなかった」と言われることも多くて。それだけギャップのある役を演じる切ることができたんだなって自信になりました。

――初めて脚本を読んだときの印象はいかがでしたか。

寺本 「オッドタクシー」の世界観を活かしつつ、生身の人間だからこそできる表現がたくさんあって面白かったです。その一方で、アニメならではの表現もあって、どう私たちが演じるのかという楽しみな部分も満載の脚本でした。

――花音に共通する部分や、共感するところはありましたか?

寺本 まず私自身が中学3年生のときに広島から上京して、芸能活動を始めたので、そこの境遇は近いと思います。みんなの前では明るいけど、心の中では、いろいろなことを考えているところも似ています。

――二面性のあるキャラクターですよね。

寺本 玲奈といるときは高校時代からの親友なので素の部分を出せるように意識して、お店では愛嬌抜群ブリブリな感じでやらせてもらいました。

――全10話で物語も中盤になりますが、花音の出番も増えていくのでしょうか?

寺本 はい。お店のシーンもありますし、高校時代のシーンもあって、より今と昔の花音のギャップが見られるので、そこに注目していただけたらうれしいです。