変化自在な表現力の強さがあふれるステージ

哲学的な歌詞や独特なサウンドと、唯一無二のパフォーマンスが注目されている「原因は自分にある。」(通称、げんじぶ)。大倉空人(おおくらたかと)、小泉光咲(こいずみこうさく)、桜木雅哉(さくらぎまさや)、長野凌大(ながのりょうた)、武藤潤(むとうじゅん)、杢代和人(もくだいかずと)、吉澤要人(よしざわかなめ)からなる7人組で、グループとしての活動はもちろん、個々が俳優等の様々なフィールドで活躍を見せている。 3月31日に開催された、「LIVE TOUR 2024 “架空のアウトライン”」埼玉公演には多くの“観測者”(げんじぶのファンネーム)が詰めかけた。

3月13日にリリースされ、本ツアータイトルにもなっているコンセプトEP「仮定法のあなたへ」では、それぞれの楽曲をイメージしたキャラクターが書き下ろしされた。そのキャラクターたちがスクリーンで動く中、EPのリード曲である「マルチバース・アドベンチャー」からライブはスタート。ピンクや淡いパープルを使用し、花の刺繍などが施された衣装がメンバー7人を彩っていた。

代表曲「原因は君にもある。」では、イントロでの長野のMCが埼玉ver.に。杢代によるセリフパートもばっちり決まり、「げんじぶのライブがいよいよ始まったのだ」というワクワクに全身が支配される。観測者の中でも人気が高い「シェイクスピアに学ぶ恋愛定理」がはじまると、さらなる歓声が。この楽曲では早くもメンバーがステージを降り、観測者のもとへ。超近距離でのファンサービスに会場は沸きに沸いた。「GOD釈迦にHIP-HOP」では「かませ〜」などコール&レスポンスも、メンバーと観測者で息ピッタリ。中間のダンスは激しく、しっかりと実力を見せつけた。

そこからは雰囲気を一転させ、ステージ上には吉澤が一人で手紙を読む姿が。「ダイヤモンドリリー」のリリックがモニターに映し出され、しっとりと切ないラブソングをパフォーマンスした。演劇の様な演出の「キミヲナクシテ」、背景に無数の糸を従えて歌う「貴方に溺れて、僕は潤んで。」と大人なげんじぶの魅力をたっぷりと伝えた後、「美しい人」ではステージ後方のソファを使い見事に揃ったユニゾンを見せる。「In the Nude」ではムーディなメロディとラップパートが絶妙に融合し、観測者たちは賞賛の拍手を贈る。

大倉がパソコンを操作すると、EP「仮定法のあなたへ」の2Dキャラクター・キャトミンからのメールが。独特の言語を使うキャトミンの“ニナニナ”を大倉がモノマネして、愛嬌をふりまく一幕も。「推論的に宇宙人」では、「宇宙中中々!」(宙!)といったキュートなコール&レスポンスで観測者も一体となってラブを盛り上げる。爽やかな恋愛ソング「チョコループ」では、ステージ袖からメンバーが会場に降り、メンバー同士で大きなハートを作るなど会場は多幸感に包まれた。