アーティスト前田佳織里の変化が感じられる『Grab the World』

――アーティスト前田佳織里としての活動も2年目に突入して、間もなく2nd EPがリリースされるわけですが、この1年間でご自身が成長や変化を感じる部分はどんなところでしょうか?

前田佳織里(以下、前田) もう1年も経ったのか…と、ちょっと感慨深い気持ちもあるんですけど、1st EP『未完成STAR』の時は「自分の歌声って何だろう?」っていうのを探すところから始まっていたので、この1年で「私はアーティストとしてこうなりたい」とか「こういう声を大事に歌っていきたい」っていう、なりたいアーティスト像がすごく明確に見えて来たのかなって思っています。「こういう風にやっていきたい」とか「こういう曲を歌ってみたい」っていうことも、前よりも積極的に言えるようになったので、アーティストとしての階段をひとつ上れたのかなとも思っています。

――それは、徐々に掴んでいったような感覚ですか?それとも何かきっかけがあって目覚めたような感じなのでしょうか?

前田 両方かもしれないです。1st EP『未完成STAR』の表題曲「光ったコインが示す方」という曲は、これまでに歌ったことがないような曲調だったんですけど、レコーディング中にちょっと開花したというか、曲が自分の中に入って来て歌い方が分かった瞬間があったんです。その時、スタッフさん達も「格段に良くなったね」って言ってくれて。歌う感覚を掴んでからは、ライブをやる機会が多かったこともあって、段々と動じることが無くなったのかなって思っています。

――前作『未完成STAR』から1年数ヶ月を経て、6月5日に、2nd EP『Grab the World』がリリースとなりますが、リリース直前の今はどんな心境ですか?

前田 ようやく皆さんに聴いてもらえるなっていう気持ちです。表題曲の「常識外れヒューマン」は、TVアニメとの兼ね合いもあって、早くから準備していたんですけど、他の3曲は、かなりのスピード感で動きました。MUSIC VIDEOの撮影も最近でしたし、コンスタントにスタッフの皆さんと会いながら、疾走感のある制作になったなとも思っています。駆け抜けて来た気持ちが強いので、この勢いのままリリースまで突っ走りたいなと思っています。

――1stと2ndではリリース前の心境も違うと思うのですが、いかがでしょうか?

前田 おっしゃる通りで、1st EPの時はアーティスト前田佳織里が受け入れてもらえるのか心配な部分もあったんですけど、2nd EPでは、ファンのみんなをビックリさせたいという思いも強くて、前田佳織里の変化みたいなところもたくさん受け止めて欲しいなと思っています。

――今回のジャケット写真。とてもインパクトがありますが、撮影にはどんなイメージで臨みましたか?

前田 2作目なので、自分にとっての次のステップ、挑戦といった意味も込めていて。『未完成STAR』は、ワンちゃんと一緒に立っているジャケット写真だったので、今回はその対比になるように、自分の顔のアップにしたいっていうアイデアがあったんです。よく目を凝らすと、バックが都会になっているんですけど、「都会の中でも一生懸命に頑張っています」という思いも大切にしたかったので、このようなオシャレなジャケット写真になりました。アートとしても、キュートながらもパンクな感じがあっていいなと思っています。

――改めて、『Grab the World』というタイトルには、どんな思いが込められていますか?

前田 直訳すると「世界を掴む」ですけど、「世界に挑む」とか「夢は大きく」とか、色んな方に楽しんでもらえるように「自分の殻を破る」みたいな思いも込めています。2曲目の「Dreamʻs Top Star!!」という曲の中に「決して止まらず Grab the Stars!!」という歌詞がありまして、ここにもちょっとリンクさせて、『Grab the World』というタイトルになりました。前作の『未完成STAR』から地続きになっているようなメッセージ性もあるなと思っていて、自分でもすごく気に入っています。