昔からバックグラウンドの見える曲が好き

――音楽を意識して聴くようになったのはいつくらいですか?

Novel Core  小学生からです。母親が学生時代にバンドをやっていたのもあって、音楽が身近な環境にあったんです。ボン・ジョヴィやレッド・ツェッペリンなど、王道のハードロックを中心に聴いていました。あと母親とカラオケに行くと、レベッカやBOØWYなど80年代に一世を風靡した第2次バンドブームのグループを歌うことが多くて、そこの影響も大きいです。

――Coreさんが生まれる前のアーティストばかりですね。

Novel Core  そうなんです。自分の世代だと修二と彰の「青春アミーゴ」などが流行っていて、これも母親の影響なんですが、さだまさしさんや玉置浩二さん、ユニコーン時代を含めての奥田民生さんなど、自分と世代が違う邦楽も好きで、感情豊かに歌い上げる方に惹かれました。さださんは歌心っていうんですかね。声質もあるとは思うんですが、聴いていると自然と感情が揺さぶられるというか。玉置さんもそうですが、声自体が楽器だと感じるんですよね。

――プロの歌手で、影響を受けたアーティストに玉置さんを挙げる人は多いですよね。

Novel Core 玉置さんは歌詞も好きです。背景がすごく見えるんですよ。特に「田園」は思い入れが深くて。BMSGに所属して、メジャーデビューからちょっと経ったぐらいで精神的に疲れた時期があって、復活するまでの間、LINEのBGMを「田園」にしてました(笑)玉置さんが「田園」を書いた時期は、安全地帯のことも含めていろいろあって、玉置さん自身の精神が落ち込んでいた時期に精神病棟から見えた景色を描いている曲なんです。そういうバックグラウンドが見え隠れするのがいいんです。

――曲の背景も調べているんですね。

Novel Core 気になっちゃいますね。そういうバックグラウンドの見える曲が好きというのは、昔から変わらないです。

――初めて買ったCDは覚えていますか?

Novel Core  中学生になってからは、姉の影響でボーカロイドや歌い手にハマっていたので、初めて買ったのは「ぐるたみん」という歌い手のCDでした。ボーカロイドや歌い手の方々は聞いたことのないような言葉が溢れていて、四字熟語なんかがいっぱい出てくる歌詞が面白かったし、メロディーも当時の自分には新鮮でした。米津玄師さんもボカロP「ハチ」として活動していた頃から、めちゃめちゃ聴いていました。

――その頃から歌で表現したい欲求はあったのでしょうか。

Novel Core  まだ自分が歌うことは考えてなかったですけど、中学1年生のときに合唱コン(合唱コンクール)で指揮者をやった経験から、音楽のお仕事をしてみたいと思いました。学校の音楽の授業も人一倍真面目に受けていたと思います。

――なぜ指揮者をやることになったのでしょうか。

Novel Core  最初は目立ちたいという理由だけでした(笑)。体育祭だと、いわゆるヤンチャな子たちが目立ってしまうけど、合唱コンはそういう子たちが前に出てこないですよね。だから目立とうと思って立候補したんですけど、生まれつき自己顕示欲が強いタイプだったので、2年生のときもそのままの流れでやりました。自分で表現したいことが、ちゃんと音になって、表情として返ってくるのが楽しかったんですよね。

――クラシックも聴いていたそうですね。

Novel Core  クラシックも指揮者をやったのがきっかけでハマって、ウィーン・フィル(ハーモニー管弦楽団)のニューイヤーコンサートを録画で観まくりましたし、いろんな楽団のコンサートを観に行きました。そのときはクラシックの背景はあまり意識せずに、とにかく演奏を聴き込んでいました。

――指揮者で惹かれた方はいますか?

Novel Core 佐渡裕さんです。汗びっしょりになりながらやられる、佐渡さんの指揮の感情の出方みたいなのが自分はすごく好きで。2011年の東日本大震災のタイミングで、「サントリー1万人の第九」の指揮を佐渡裕さんがやられていて、そのときの映像も観てすごく感動しました。その繋がりでいくと、先ほど話に出たさだまさしさんと佐渡裕さんは、『題名のない音楽会』でコラボされていて、その当時映像で観ながらかっこいいなと思っていました。

――Coreさんにはストリングスを使う曲もたくさんありますが、そういう影響もありますか。

Novel Core ありますね。「THANKS, ALL MY TEARS」や「ジェンガ」はオーケストラサウンドだったり合唱団だったり、クワイアっぽい要素を入れてみたり。当時そういう音楽を聴いて、通ってきたところを反映したくてやっているのもあったりします。将来的にフルオーケストラでライブをやるという夢があるので、いずれそういうところに立ったときに披露できるような楽曲を今のうちから少しずつ作っているんです。

――ヒップホップのサンプリングでもクラシックを効果的に使ったかっこいい楽曲もありますしね。

Novel Core ありますよね。あと、ここ数年のK-POPがめちゃめちゃ王道のクラシックの名曲をチョップして使っている曲が多くて。そういう曲も作りたいなと思っています。

――本当にジャンルレスに音楽を聴かれるんですね。

Novel Core  育っていく過程で、いろんな音楽を聴いてきたので、どれか一つというよりも偏りなく聴きたいタイプだったのかなと思います。いろんなジャンルを聴いてきた土台があるので、音楽を始めてからも、自分が表現したいアプローチはイメージしやすいんです。

――楽器をやろうとは思わなかったんですか?

Novel Core  めちゃめちゃ思いました。ドラムを習おうとした時期もあったし、ピアノも小さい頃、母親に「どうしてもやりたい」と言って1日体験させてもらったんです。すぐに「飽きた」って帰ってきたみたいですけどね(笑)。ギターも初心者のくせに、ジョン・ボン・ジョヴィとお揃いのタカミネの黒のエレアコを買って、Fコードで挫折しました(笑)。