田中涼星くんには絶対的な信頼感がある
――前回公演「Club キャッテリア」の手応えはいかがでしたか。
廣野凌大(以下、廣野) お客さんの反応がすごく良かったですし、楽しんでくれているのが伝わってきて、「ありがとうございます!」って感じでした。オリジナル作品で、ここまで反響があることもなかなかないので手応えも感じました。
――前回、スコティッシュを演じる上で意識したことは?
廣野 ホストであり、猫でもあるので、ちょっとした手の仕草に猫のテイストを取り入れるなど、猫なんだというのを分かってもらえるように意識しました。舞台もキャットタワーみたいに高いセットだったので、そこを飛び越えるなどの身軽さをキャスト全員が持っていたのかなと思います。
――キャスト同士で「猫だからこうしよう」みたいな話し合いはあったんですか。
廣野 特になかったんですが、気心の知れた仲間なので、誰かがやったことも上手く取り入れて、空気感を合わせることができる座組でした。
――お客さんも一緒に参加できる舞台ですが、初日を迎える前から、どういう空気感になるかは予想できていましたか。
廣野 そこの空気感は実際にお客さんが入ってから掴めるものなので、予想はつきませんでした。たくさんのステージに立って、場慣れしているキャストばかりだったので、本番でお芝居をしながら、「このシーンは、ここまで遊んでいいんだ」みたいに気付いていくことが多かったです。あと前説で、「ここでコールができます」という説明をしたり、Xで施策を打ったり。それをお客さんがキャッチしてくれて、コール&レスポンスで返してくれたので楽しかったですね。
――今回の「Club ドーシャ」は田中涼星さんとW主演ということで、お話を聞いたときのお気持ちはいかがでしたか。
廣野 うれしかったですし、涼星くんとだったら何の心配もないなって。二人でW主演は初めてなんですが、共演経験は何度もありますし、涼星くんは何でも拾ってくれるんですよね。今回、スコティッシュとシャムは対立するところから始まるんですが、涼星くんは120をぶつけたら120で返してくれる信頼感があるので、面白いことができそうだなと思いました。
――前回、廣野さんはテーマソングを担当しましたが、今回は音楽全般を担当しています。どのように制作を進めているのでしょうか。
廣野 脚本を読んでイメージした風景と、気心が知れた仲間たちとの芝居感を照らし合わせながら、お客さんの視点に立って、演じている役者たちのどういう面を見たいのか、どういう風に歌っている姿を見たいのかを考えて作りました。最初に音楽の打ち合わせがあったので、そこですり合わせをしてから、音楽制作で一緒に組んでいる人にリファレンスを出して、上がってきたトラックに対して、僕がメロディーと歌詞を乗せてというのが主な流れです。