ナルシズムという鎧をまとっているスコティッシュと性質が似ている

――スコティッシュというキャラクターをどのように捉えていましたか。

廣野 僕と性質は似ているんですが、スコティッシュのほうがナルシズムの使い方が豪快というか。スコティッシュは「俺様はすごい!」という感じで自らアピールしますが、僕の場合はアーティスト・役者としての活動を通して、「すげえだろう!」と見せるタイプ。だから似ているようで似ていないんですよね。でも同じナルシストだから理解できることも多くて、大体ナルシズムを抱えている人って、自分をナルシズムで防御しないといけない弱い部分があるんですよね。そこに触れられたくないから、ナルシズムという鎧をまとっているので、そこを意識してスコティッシュを作り上げていきました。

――田中さんには、どんな印象を持っていますか。

廣野 先ほどチラッとお話ししましたが、何でもできちゃうから、僕として何の心配もないというか。僕はナルシズムがあるから、自分と合わない役者さんだと態度には出さないんですが、気持ちが冷めちゃって、「もう会うことはないだろう」みたいなことを心の中で思ってしまうんです(笑)。でも涼星くんは初共演したときから、「この人は面白いな」「一緒に戦っていけたらいいな」と思いました。僕の狭いストライクゾーンに必ず入れてくれるし、それを毎回更新してくるんですよね。

――今回の「Club ドーシャ」はどういうストーリーなのでしょうか。

廣野 今までお店でやってきた自分のやり方、それに対して、「どうして成績が伸びないのか」「自分はポジション的にNo.2がいいけど、本音は上を目指したい」「自分のお店を守りたい」「独立して一人でやっていくんだ」など、自分が抱えている問題やウィークポイントと、それぞれが向き合うストーリーです。

――本番に向けての意気込みをお聞かせください。

廣野 ありがたいことにキャスト陣の顔合わせの日には、すでにチケットが完売していて。前回の成功があったからこそ、お客さんも期待をしてくれているのを感じました。今回、僕はW主演であり音楽も担当させていただくので、その期待を超えられるような仕事をしたいですし、現在演劇界でブイブイ言わせている8人が集まっているので、そこの自覚を持って臨みたいです。