ターニングポイントになったドラマ『ドラゴン桜』
――野球は何歳まで続けたんですか。
西山 高校卒業まで続けました。ただ高校野球連盟の規定で、芸能活動をしている人は野球部に入っちゃいけなかったんです。高野連から電話がかかってきて、「西山潤さんは芸能活動をしていますよね。今後も続けるなら野球部を辞めてください」と言われました。ちゃんと調べているんですよね。だから選手登録どころかマネージャー登録もできなかったんです。でも僕は部活もやりたかったし、役者もやりたかった。芸能学校ではなく普通の高校に通っていたので、平日は学校を休めないし、土日になると撮影が入って部活に出られないことも多いので、それで試合に出るのも申し訳ない。だったら支える側になろうと思って、トレーナーじゃないですけど、ノックを打ったり、バッティングピッチャーをやったり、ブルペンキャッチャーをやったり、トレーニングの補佐をしたり、メニューを考えたりということをやっていました。
――なぜ、そこまでして野球を続けたのでしょうか。
西山 野球は幾つになってもできますけど、部活は大人になるとできないですからね。かといって役者を辞める気はないから、サポートに回って、試合の応援には行ってました。もちろん悔しい思いもありましたが、役者を取ったのは自分だったので、しょうがないなと割り切っていました。
――高校卒業後は役者一本に絞ったんですか?
西山 2年だけ大学に通いました。でも小学1年生から芸能界にいて、どちらかを100%やってきたことがなかったんです。気持ちは100%でも、結果として学校を休んじゃったり、仕事をセーブしたりという時期があったんで、もういいかと思って、芸能1本で行こうと決めました。
――一人で決断したんですか?
西山 いえ、父親の言葉が大きかったです。20歳になって、初めて父親と二人でビールを飲んだときに、今どんな仕事をやっているのか聞かれて、「大河ドラマをやっています」と答えたら、「もう大学は辞めろ」と。普通の親だったら逆のことを言うと思うんですけどね。でも自分でもそう思っていたので、次の日、大学に行って辞めますと伝えました。
――決断が早い!もともとご家族は芸能活動に賛成だったんですか。
西山 否定もせず肯定もせずという感じでしたが、部活も仕事も応援してくれていましたし、いつも良い環境を作ってくれていたなと感謝しています。今も応援してくれているのでありがたいですね。ちなみに姉は櫻井翔さんの大ファンなので、今回のドラマが決まってから、めちゃめちゃ食いついてきます(笑)。
――最後にターニングポイントになった作品を教えてください。
西山 ドラマ『ドラゴン桜』第2シリーズ(21)です。阿部寛さんや、同級生役の仲間と出会えたのが大きかったです。観たよと言ってくださる方も多く、たくさんの人に愛された作品ですし、そこからお声掛けしていただくお仕事もたくさんありました。
――同級生役の方々は今をときめく役者さんばかりです。
西山 西垣匠、細田佳央太、髙橋海人(King & Prince)と仲が良くて、今でも連絡を取り合っています。ライバルであり仲間であり、お互いの作品を観て素直に意見を言い合える関係性です。そういう仲間に出会えたという意味でも、『ドラゴン桜』は僕にとってのターニングポイントです。
Information
金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54
出演:水川あさみ、玉山鉄二、丸山智己、和田正人、渡辺大、曽田陵介、田辺桃子、青木柚、西山潤、濱尾ノリタカ、渡辺いっけい、真飛聖、加藤雅也、筒井真理子、高岡早紀、櫻井翔
原作:早見和真『笑うマトリョーシカ』(文春文庫)
脚本:いずみ吉紘、神田優
主題歌:由薫「Sunshade」(Polydor Records)
プロデューサー:橋本芙美
演出:岩田和行、城宝秀則、小林義則
編成:杉田彩佳
製作:共同テレビ、TBS
若き政治家と有能な秘書の不気味さに気付いた新聞記者が黒い闇に迫る……人間の欲望と謎が絡み合うヒューマン政治サスペンス。
PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:舩戸美咲,STYLIST:川久保はるか
衣装提供:ASCLO、LION HEART