数年ぶりに会う友人からも厚い信頼を。「背中を押した誰かが成功をつかんでくれた方」が幸せ

――女優としてテレビドラマ、映画、舞台と、数々の作品に出演されていて。現場によっての空気感も、異なりますか?

若月 テレビドラマや映画では、自分の登場しないシーンに出演されている方々のお芝居を見る機会が少ないのは違いますね。舞台では、共演する方々と常に同じ空間にいますし、自分にとっては学びの場で、他のみなさんの演技を見て「こんな表現の仕方もあるのか」と検証しています。

――新たな学びの場となる今回の舞台『有頂天家族』。2018年11月のグループ卒業後、女優への転身からまもなく6年。日々の充実感は?

若月 お仕事をいただける環境はもちろん、グループの看板が外れてからは、戦うフィールドが広がったとも感じています。私よりお芝居の上手な女優さん、かわいい女優さん、もっと若い女優さんもいるのに、お声がけいただけるのは奇跡だと思うんです。俳優生活は幸せですし、プライベートでも以前はできなかったことにも興味を広げています。

――例えば、プライベートでは何を?

若月 コロナ前に、運転免許を取得したんです。グループ時代は今以上に忙しくて、まとまった期間で教習所に通い詰めるのが難しかったので、スタッフさんに相談してスケジュールを調整していただき、無事に合格できました。体調管理も、グループ時代と比べるとゆるくなりましたね。グループ時代は、10代で着ていた衣装を、20代で着る機会もあり“衣装が入らない問題”が起きてはいけないので、体型維持も必死で(笑)。今は基本、ビジュアルを保てる程度で、好きなものも食べられるし、ラーメンを食べたり、マックのメニューを食べるちっちゃい幸せも日常で味わっています。

――女優以外では、モデルとしても活躍。ファッション誌『Oggi』(小学館)では美容専属モデルを務め、2024年9月にはこだわりある美容の悩みや解決策を共有するなど、自身初の女性限定イベント「若月佑美とGIRLS MEETING! vol.1」を開催しました。

若月 表舞台に立つのではなく、裏方にもなりたいと思いはじめて、その第一弾として企画したんです。プライベートでは、友人に相談される機会も多いんですよ。私自身、自分が何かに成功するのではなく、背中を押した誰かが成功をつかんでくれた方がうれしく、幸せを感じられるんです。

――直近でも、友人から相談を受けた経験が?

若月 ありました。先日も、グループの元メンバーだった子から数年ぶりに「ご飯へ行かない?」と誘われたんです。話を聞いたら悩んでいて「誰に相談しようかとなったとき、若だなと思って。ゴメン、連絡しちゃった」と言われました。全然連絡を取っていなかったのに「悩みがあって、意見を聞きたいです」と相談してくれた子もいて、自分の時間ならいくらでもあげるからと思ったし、悩みがあって私を選んでくれたのはうれしかったです。

――そうした経験も、自身初の女性限定イベントの背景にあったのかと思いました。

若月 そうですね。人はいずれ亡くなってしまうし、知っている情報を独り占めしているだけでは、それでおしまいじゃないですか。自分の経験で誰かを救えるなら、全部あげてしまいたいので。女性限定イベントでは、ファンの方から「ニキビで悩んでいる」といった声が寄せられていたので、SNSや雑誌で伝えるのではなく直接、自分の言葉で答えたい思いも意図にありました。グループ時代の経験から、当事者目線でのメンタルケアの大切さも伝えていきたいし、似たような場はこれからも作っていきたいですね。