料理の面でも、どうすれば樂っぽさを出せるか考えた

――ニュートラルな時間というお話がありましたが、お二人はオフの日をどう過ごすことが多いですか。

伊藤 最近は一人でいるより、友達と過ごしていること多いです。以前よりも自分がフランクになったというのがあるかもしれないんですが、今は人と会話したり、うちに招いて一緒にご飯を作ったりという時間を大切にしています。

――友達と自宅でどう過ごしているんですか?

伊藤 映画を見たり、ゲームをしたり。アナログの古いゲームをやることが多くて、最近は私が小学生の頃にやっていた音ゲーの「ポピラ」を友達が持って来てくれて、それにハマっています。

――伊藤さんはご自身でイラストやデザインを手掛けるので、オフも制作に時間を割いているのかと思っていました。

伊藤 絵を描くお友達がいるので、セッションというか、お互いの意見を言い合って制作することもあります。

中川 僕は体を動かすのが好きなので、オフの日は自転車でジムに通って、キックボクシングやウェイトトレーニングなど、体作りに励んでいます。トレーニングをしていると、必然的に食事にも気を遣うので、自分で料理を作ったりもします。運動していると体調が良いんですよね。

伊藤 私も体を動かさないと体調が悪くなるので、ジムに行って、歩いたり走ったりしています。いろいろマシンもありますけど、すぐに筋肉がつき過ぎちゃうから、他は腹筋ぐらいしかしないです。

中川 ジムまで歩いて通っているんですか?

伊藤 家の近くにジムがあるので、すぐに行けるんですよ。

中川 ジムは近ければ近いほどいいですからね(笑)。

――最後に『チャチャ』で印象的なシーンをお聞かせください。

伊藤 私は良い思い出、苦い思い出も含めて屋上のシーンです。屋上で樂との出会いがあって、そこから展開があって、チャチャの表情も変わっていきます。いきなり撮影初日に樂との出会いのシーンと、後半で樂に本心を聞くシーンの二つを撮影したのですが、本心を聞くシーンは何度やってもOKが出なくて、「もう駄目だ……」と撃沈していました。初日のスタートから、中川さんには迷惑をかけちゃいました。

中川 全くそんなことはないですよ。

伊藤 酒井監督からは、チャチャを演じるのではなく、自分自身のままでいてくれと言われていました。初日からくじけそうな経験をしたことによって、傍から見えている自分、チャチャに近い自分って何だろうと、俯瞰して自分を見詰め直す機会になりました。その間も、ずっと中川さんは頼もしくいてくださったのが印象に残っています。

中川 僕は樂が料理を作るシーンです。クランクインの前に家で何度も練習をしましたし、監修のフードコーディネーターの方とお話しをして、どうすれば樂っぽさが出せるかを考えました。樂は料理でも、野性的な部分と、美的な面にこだわる部分の二面性があって。それでいて、おなかが空くような料理を酒井監督も求められていたので、そこにも注目してほしいですね。

Information

『チャチャ』
新宿ピカデリーほか全国公開中

伊藤万理華 / 中川大志
藤間爽子 塩野瑛久 ステファニー・アリアン 落合モトキ 藤井隆

監督・脚本:酒井麻衣
主題歌:「おはようの唄」伊藤万理華(ソニー・ミュージックレーベルズ)
©2024「チャチャ」製作委員会

デザイン事務所で働くイラストレーターのチャチャ。自由奔放な振る舞いで周囲から反感を買うこともあるが、人目は気にせず、好きなように生きるをモットーに過ごす日々。ある時、屋上で偶然出逢った樂(らく)にチャチャは興味を持つ。お互いに好きなものは正反対だけど、「2 人いたら丁度いい」と次第に惹かれていくが……。野良猫系女子の予測不能な恋の顛末とは!?

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伊藤万理華

1996年2月20日生まれ。大阪府出身。2011~17年、乃木坂46一期生メンバーとして活動。現在は、俳優としてドラマ・映画・舞台に出演する一方、PARCO展「伊藤万理華の脳内博覧会」(17)、「HOMESICK」(20)、「MARIKA ITO LIKE EXHIBITION LIKEA」(22)を開催するなど、クリエイターとしての才能を発揮。初主演映画『サマーフィルムにのって』(21/松本壮史監督)では、TAMA映画賞にて最優秀新進女優賞を受賞、第31回日本映画批評家大賞にて新人女優賞を受賞。主な出演作に、映画『もっと超越した所へ。』(22/山岸聖太監督)、『そばかす』(22/玉田真也監督)、『女優は泣かない』(23/有働佳史監督)、地上波連続ドラマ初主演を務めた「お耳に合いましたら。」(21/TX)、「日常の絶景」(23/TX)、「PORTAL X」(24/WOWOW)、「燕は戻ってこない」、「パーセント」(共に24/NHK)など。待機作に11月15日公開『オアシス』(岩屋拓郎監督)、25年1月公開予定の映画『港に灯がともる』(安達もじり監督)がある。

中川大志

1998年6月14日生まれ、東京都出身。2011年、ドラマ「家政婦のミタ」(NTV)で注目され、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(19)で広く知られる。映画『坂道のアポロン』(18/三木孝浩監督)、『覚悟はいいかそこの女子。』(18/井口昇監督)で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。「花のち晴れ〜花男 Next Season〜」(18/TBS)、「G線上のあなたと私」(19/TBS)、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22)、「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ」(23/CX)、「Eye Love You」(24/TBS)などテレビドラマでも活躍。主な映画出演作は、『四月は君の嘘』(16/新城毅彦監督)、『きょうのキラ君』(17/川村泰祐監督)、『ReLIFE リライフ』(17/古澤健監督)、『虹色デイズ』(18/飯塚健監督)、『砕け散るところを見せてあげる』(21/SABU監督)、『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』(21/英勉監督)、『犬部!』(21/篠原哲雄監督)、『ブラックナイトパレード』(22/福田雄一監督)、『スクロール』(23/清水康彦監督)、『碁盤斬り』(24/白石和彌監督)、『夏目アラタの結婚』(24/堤幸彦監督)などがある。

PHOTOGRAPHER:TOSHIMASA TAKEDA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI