社会的モラトリアム期間があったおかげで思い切った行動ができた
――キャリアについてお伺いします。俳優を目指したのはいつぐらいですか?
一ノ瀬 意思を固めたのは高校1年生のときですが、幼少期からスーパー戦隊シリーズなどを観て、漠然と演技をしてみたいと考えていたんです。それを親に伝えたら、「厳しい世界だよ」と教えてもらって、じゃあやめておこうかと(笑)。それからは勉強と部活に打ち込んでいました。
――どうして高校1年生で変化があったのでしょうか。
一ノ瀬 論述のテストがあって、「自分の人生の半分以上の時間を占めることになる仕事を、お金で選ぶか、やりたいことで選ぶか」という問いがあったんです。どちらが正解とかはないんですが、その問いを見たときに、ずっと蓋をしていた感情がポンって開いた感覚があって、バーって俳優についての思いを書いたんです。それほどドラマや映画を観ていた訳ではなかったんですが、人生一度きりだし、自分が興味を持っているものにチャレンジしてみたいと思ったんですよね。
――その時点では、実際に行動に移さなかったんですか?
一ノ瀬 高校時代は学業と部活に専念して、大学生になると自由な時間も選択肢も増えるので、そのときにチャレンジしようと考えました。そしたら大学の入学式に向かっている最中に、今のマネージャーさんに声をかけていただきました。良い巡り合わせでしたね。
――振り返ってみて、大学に行って良かったことは何でしょうか。
一ノ瀬 中学・高校は限られた人としか関わる機会はないですが、大学でいろんな人たちと接することができたのは良かったですね。あと高校を卒業して、いきなり社会に出ると、傷付くことも多いのではないかと思うんですよね。それで思っていた道と違うと引き返してしまうと、自信をなくしてしまう可能性もあります。僕も大学に行かずに就職していたら、この世界を選んでいなかったと思います。
――働き出すと、なかなか他の選択肢を考える余裕もなくなりますからね。
一ノ瀬 そういう意味でも大学は助走期間というか、いろいろなことを考える時間がたくさんあります。僕の場合は早い段階で、この世界に入ることができたので結果オーライではあったんですが、大学生でいられる期間が保険というか。それは別に悪いことではないと思っていて。学生時代は「社会的モラトリアム期間」とも言われますが、その期間があったおかげで、僕は思い切った行動ができました。その結果として今の自分があるので、大学に行って良かったです。
Information
連続ドラマW-30『ハスリンボーイ』
WOWOWにて、11月1日(金)午後11時より放送・配信スタート(全8話)
久保田タモツ:間宮祥太朗
アキヒロ:毎熊克哉
里中由佳子:横田真悠
村田:竹原ピストル
百瀬:駿河太郎
松丸:遠藤雄弥
ケンゴ:武田航平
加茂:山口祥行
目良:後藤剛範
ウツロ:一ノ瀬颯
九条:玉山鉄二
原作:草下シンヤ・本田優貴「ハスリンボーイ」(小学館ビッグスピリッツコミックス刊)
監督:鈴木浩介
脚本:小寺和久 掛須夏美
音楽:堤 裕介
チーフプロデューサー:青木泰憲
プロデューサー:廣瀬眞子 笠置高弘 河相沙羅
製作:WOWOW トライストーン・エンタテイメント
Ⓒ草下シンヤ・本田優貴/小学館 ⓒ2024 WOWOW INC.
大学生の久保田タモツ(間宮祥太朗)には、奨学金510万円の借金があり、社会人になると始まる返済は42歳まで続く計算だった。これに危機感を抱いた彼は、卒業までに完済すべくバイト漬けの日々を送っていた。そんなある日、タモツは仮想通貨の詐欺に引っかかり、新たに消費者金融から200万円の借金を負ってしまう。絶望的な状況下、彼を救ったのは池袋の道具屋・九条(玉山鉄二)と偽装師・村田(竹原ピストル)だった。九条は、消費者金融の裏にいる神保会の許しを得て、詐欺グループから200万円を取り戻してくれたのだ。だが、仕返しで襲ってきた詐欺グループを返り討ちにしたことで、九条は逮捕されてしまう。九条には難病を患う娘がおり、その治療費を稼ぐために道具屋をしていたと知ったタモツは、彼が釈放されるまで自分が道具屋をすることを決意。拘置所の九条に教えを受けながら、池袋の裏社会に足を踏み入れていく
第一話無料先行配信中
連続ドラマW-30「ハスリンボーイ」第1話まるごと無料配信
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PHOTOGRAPHER:YU TOMONO,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:GO IKEGAMI,STYLIST:KENTARO HIGAKI