日頃から洋服のケアができている影の立役者は母親
――ミュージックビデオの衣装はいかがでしょうか。
Novel Core 自分自身の楽曲なのか、人の楽曲へのフィーチャリングなのかによって全く違うんですが、楽曲が持っているメッセージや雰囲気、撮影方法などを意識してスタイリングを考えます。ちょくちょく映像のディレクションをさせてもらったり、自分で編集したりもするので、こういう画角で、こういう撮り方をするんだったら、こういう衣装のほうが映えそうだなとか、リザルトがどうなるのかを想像しながら、衣装を組んでいくことのほうがミュージックビデオは多いかもしれないです。
――海外で撮影したかのような世界観が印象的な「RULERS」を例に、ミュージックビデオのスタイリング方法を教えていただけますか。
Novel Core ミュージックビデオも自分でスタイリングしているものがほとんどなんですが、「RULERS」に関しては信頼するスタイリストさんに入っていただきました。シンプルに自分でリースに行く時間がなかったという理由なんですが、スタイリストさんに入ってもらうときも、綿密にミーティングをさせてもらいます。「RULERS」では、白と赤の衣装の切り分けが、世界観の切り分けを表現していて。白の衣装には目玉のオブジェクトが付いているんですが、それにも意味があって。アニメ「キングダム」第5シーズンのエンディングテーマということで、桓騎(かんき)という将軍がジェノサイドを繰り返した後に、村民たちの目玉が大量に入っている桶をぶちまけるシーンがあるんです。グロテスクなシーンが多いシーズンだったので、そういう禍々しい要素をミュージックビデオにも入れてみたいなというところから、作品のテーマ性に寄り添うことを徹底的に意識しながらスタイリストさんとやり取りして、衣装をセレクトしていただきました。
――スタイリストさんが入らない場合、服はどうやって持って行くんですか。
Novel Core スタイリストバッグを持っているので、ハンガーごと入れて持ち運びをしています。その中に入りきらないものは別の袋に入れるんですが、靴だけでも荷物の量がえげつないので、タクシーに積んで、現場で降ろしてもらいます。「スタイリストさんが入られました」みたいな感じですね(笑)。
――スチームも自分でかけるんですか。
Novel Core かけられるときは自分でかけているんですが、現場にワードローブチームだけ来てもらうこともありますし、マネージャーさんたちにやっていただくこともあります。
――そういう作業も苦にならないのでしょうか?
Novel Core これには影の立役者がいて、縁の下の力持ちとして、僕の母親に頼っています。僕の洋服は複雑な構造のものが多いし、手洗いが必須だったりもしますからね。母親も洋服が大好きで、業務用のロックミシンで裾上げやちょっとしたほつれの直しを綺麗にやれますし、僕がパターンを引いて、母親に裁断してもらって形を変えるなんてこともコンビネーションでやっています。細かい作業も好きでやってくれるので、気兼ねなく頼めるんです。
――お母様は服飾系のお仕事の経験などはあるんですか?
Novel Core ないです。昔から趣味でミシンを使ったもの作りをしていて、僕が洋服をいっぱい持つようになって、いろいろ相談に乗ってもらっていくうちに、どんどん技術も上がっていったんです。楽しんでやってくれているので本当に助かっていますし、母親のありがたみをより感じています。
過去の連載記事はこちら
https://strmweb.jp/tag/novelcore_regular/
Information
Novel Core史上初となるアリーナ単独公演 『”BRAIN LAND” at K-Arena Yokohama』 2025年2月11日(火・祝) 開催決定!
公式サイト
Novel Core
東京都出身、23歳。ラッパー、シンガーソングライター。 SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル “BMSG” に第一弾アーティストとして所属。 高いラップスキルと繊細な歌唱技術を保有する一方で、決してジャンルに縛られることのない特有のスタイルがファンを集め、アルバム作品が各チャートで日本1位を獲得するなど、メジャーデビュー後の短期間で爆発的にその規模を拡大。 Zeppを中心とした大型のライブハウスを周遊する全国ツアーや、日本武道館での単独公演を完全ソールドアウトで成功させ、来年2月には自身初のアリーナ単独公演が決定するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進を続ける新世代アーティスト。 ミュージシャンとしての存在感を確かなものにする一方で、FERRAGAMOやETROなど、トップメゾンのモデルに起用されるなど、ファッション業界からも注目を集めている。
PHOTOGRAPHER:TOSHIMASA TAKEDA,INTERVIEWER:RITSU OHSOI,WRITER:TAKAHIRO IGUCHI