NIGO®とファレル・ウィリアムスのタッグが面白かったLouis Vuitton
――それ以外で印象に残っているコレクションは?
Novel Core 大好きなFERRAGAMO(フェラガモ)は今回も相変わらずかっこよかったし、素敵でしたが、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)とCHANEL(シャネル)も良かったです。特にLouis VuittonはNIGO®さんとファレル・ウィリアムスがタッグを組んだメンズコレクションが面白くて。二人が邂逅した2000年代初頭のムードというか、「めっちゃNIGO®さんじゃん!」みたいなのがあって。ジャケットに、つばが広めのキャップだったり、浅めのビーニーだったりを合わせて、モロ2000年代初頭のストリートカルチャーというか、二人が設立したビリオネア・ボーイズ・クラブをセルフサンプリングしたりもして、いろいろ興味深かったです。まあカタカナで「ヴィトン」いうデザインが入ったものに関しては一旦置いといて(笑)。
――面白かったですけどね(笑)。
Novel Core 賛否はあるだろうけど面白いですよね。ウィメンズコレクションとの対比も含めて、今回のメンズはいいなと思ったんですが、NIGO®さんとファレルの対比みたいなのもちょくちょく出ていて。ワークウェアっぽい広いシルエット感、ゆったりしたシルエット感はNIGO®さんが2000年代初頭にやってきたことを取り入れていますが、パンツとかのシルエット感はファレルが得意としているウエスタンチックな細さやフレアが入っていて。それが混ざったときに、これが“今”なんだなと分かるみたいな感じがいいなと。あとCOOGI(クージー)っぽいピンクの3Dニットをハーフジップでレイヤードしていましたが、ビギー(ノトーリアス・B.I.G.)が90年代に流行らせたまんまのテイストで。そういうストリートの世代間みたいなのが随所にエッセンスとして入っている気がして、普通に着たいと思ったし、マジでテンションが上がりました。
――CHANELはいかがでしたか。
Novel Core 次期ディレクターのマチュー・ブラジのデビューが秋に予定されていてファッション業界を騒がせていますが、CHANELをどのようにトレンドの中心に持ってくるのか期待している人は多いと思います。G-DRAGONなどのCHANELファンを始め、昔からココ・シャネルを愛する人たちは、特にツイードのアイテムにフォーカスしているはずです。今回はマチューのデビュー前ではありますが、みんなが注目する中、白いギャザーの襟など、16世紀・17世紀の王族の装いのような要素をツイードのアイテムに取り入れているなと感じました。ココ・シャネルが大事にしてきた雰囲気を踏襲してシグネチャーは残しているけど、現代版にどうやってアップデートするか模索している最中だなと。チュールの生地など、ひらひらした素材を上にかぶせているのも印象的で。四角いポケットのような絵柄が入った生地を、白いセットアップの上に薄くかぶせてポケットがあるように見せるなど、レイヤーの視覚効果を多めに取り入れていて、“調整”と“挑戦”を感じるコレクションで、マチューのデビューコレクションがさらに楽しみになりました。
――次のファッショントレンドについて、Coreさん自身の見解は?
Novel Core 正直、トレンドの移り変わりが早すぎて、追い切れていない部分も多々あります。少し遅めにトレンドに乗るほうが、自分的にも安心しますしね。一つ挙げるとすれば、Balenciaga(バレンシアガ)のアーティスティックディレクターを務めるデムナ・ヴァザリアが流行らせたオーバーシルエットの文脈は今も残っていますが、今回のコレクションを見ると、再び細めのシルエットに戻りつつあるなと。Louis Vuittonも細いウェスタンのシルエットと、どかっとしたシルエットを掛け合わせていましたし、この傾向は今後もかっこいいものとされていくと思います。僕自身は両方ドカッとしたシルエットを合わせることが多いのですが、少しずつ細いシルエットとの掛け合わせにもチャレンジしていきたいです。