転機は8thアルバム『indigo hour』グループの目標“アリーナツアー”達成のために
――先に「歌もダンスも初心者の私がポンッと入るのは怖かった」と語っていましたが、仲村さんの転入時点でえびちゅうはすでに豊富な楽曲がありました。一気に覚えるのも、大変だったのでは?
仲村 歌もダンスも未熟なまま、初ステージの「私立恵比寿中学 New style 大学芸会~run in our ebichu family~」(2022年12月)に合わせて、2ヶ月で20数曲を覚えるのは大変でした。それを乗り越えても、1週間で十数曲、次は数曲…と振り入れが続いて。当時は10人体制で細かな歌割りを覚えるのも苦労したし、同期のえまとは今も「よく乗り越えたよね」と振り返ります。2人とも負けず嫌いだし、できないと悔しいからできるまで頑張ったんですけど、支えてくださるスタッフさんから「じゃあ、できるならどんどん行こう!」って感じでレベルアップを求められて、付いていくのに必死でした(笑)。
――なかでも、特に苦戦した転入前から歌い継がれる楽曲も?
仲村 たくさんあります(笑)。『仮契約のシンデレラ』は全然踊れなくて、間奏ができなさすぎて泣いたくらい苦手でした。『ジャンプ』も、振り付けというより感情を込める表現が難しかったんです。でも、どの曲も「乗り越えてきた」という積み重ねがあるので自信につながっていますし、練習すれば「できる」と自分に言い聞かせています。
――2022年10月の転入から約2年半。パフォーマンス面で、転機となった作品もありますか?
仲村 8thアルバム『indigo hour』(2024年2月リリース)です。目立つパートをたくさんいただいて、収録された「BLUE DIZINESS」と「TWINKLE WINK」では、初めて落ちサビを担当しました。アルバムを引っさげたツアー「私立恵比寿中学 15th Anniversary Tour 2024 ~the other side of indigo hour~」(2024年4〜7月)では、何度も練習したのに、いざ本番になると思い通りに歌えないし、声が裏返ったり、息が続かなかったり…と波があって。でも、最後までめげずに完走できたのは、自分にとっての成長でした。
――当時、完走できた背景にはどのような思いがあったんでしょう?
仲村 失敗するたびに緊張が高まり、さらに上手くいかなくなる悪循環だったので「どんなに緊張しても、自分のやってきたことを信じる」と言い聞かせていました。色々な歌い方もとにかく試して、改善したポイントは10箇所以上あったと思います。
――ストイックというか、自分を顧みられるのは仲村さんの強さですね。ある種、自己完結で課題をクリアしていくタイプなんですか?
仲村 そうかもしれません。失敗して「上手くできなくて、どうしよう」と相談するのではなく、ダメなら「こうしよう」と自分で考える方が多いですね。でも、できなければ落ち込むし、気持ちだけは誰かに聞いてもらいます。
――その姿勢もきっと、グループの原動力になっていると思います。SSA公演で「アリーナツアー」を宣言したえびちゅうとしての目標、そして、仲村さん自身としての目標も最後に伺いたいです。
仲村 えびちゅうが目標を宣言したのは珍しいんですけど、やっぱり「宣言したからには達成しなければいけない」と思っています。(2025年6月28日には)歌穂ちゃんの卒業も控えているので、私たち(妹メンバー)自身も考えて動いていかないといけないし、時代に流されずグループを守り続けるのが一番の目標です。個人では「入り口になるお仕事」を、頑張っていきたいですね。
写真集もえびちゅうへの転入があったからチャンスが巡ってきたので、グループへの感謝は大切に。今年、ミュージカル「スクールアイドルミュージカル」(2025年2〜4月)に彩ちゃんと一緒に出演させていただいたのが楽しくて、過去の演技経験も無駄にしたくない気持ちもあるので、グループ全員でのドラマ出演とか、歌とダンス、お芝居を活かせるお仕事に挑戦できたらうれしいです。
Information
仲村悠菜 1st写真集『17。』
好評発売中!
えびちゅうの出席番号17番、仲村悠菜の1st写真集。北海道・富良野や美瑛で撮影された本作では、気球に乗ったり、一面のひまわり畑で撮影したり。目一杯楽しむ彼女の無邪気な笑顔やあどけなさ、そして少しだけ背伸びした表情を凝縮。一瞬の貴重な輝きを鮮やかに描き出した、青春のまぶしさが詰まった1冊に。
PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:SYUHEI KANEKO