芝居の表現力はパフォーマンスと共通する | 藤原樹 「THE RAMPAGE以外でも輝ける場所として、役者をやり続けたい」 INTERVIEW

芝居の表現力はパフォーマンスと共通する

――藤原さんはGENERATIONSのサポートメンバーを経て、2014年4月に「EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION」の最終審査で落選。その後、THE RAMPAGEの候補メンバーに選出されて、正式メンバーとなります。高校時代に、ここまで紆余曲折があるのも珍しいですが、落ち込むことはなかったですか。

藤原　最終審査で落選したものの、そのままTHE RAMPAGEが結成されたので、すぐに気持ちを切り替えて頑張ろうと思いました。でも、すぐにデビューできた訳じゃなくて、そこから活動休止もあって、ようやくデビューできたのは僕が19歳のときでした。

――デビューまでの期間はどういう精神状態でしたか？

藤原　今考えたら短いと思うんですが、その時期は本当に先が見えなくて……。アーティストなんだけど、そうではないという中途半端な状況で、何が正解かをみんなで探していたので本当に辛かったですし、このまま夢が叶わずに終わるんじゃないかと考えることもありました。実際、このまま解散するんじゃないかというところまで追い込まれたのですが、16人全員が諦めることなく壁を乗り越えたことで、今も不動の16人で活動を続けられていますし、大切な経験でした。

――グループが危機的状況の中、どのように藤原さんはモチベーションを保っていたのでしょうか。

藤原　ずっと家族に応援してもらっていたので、このまま夢を諦めて福岡に帰る訳にはいかないなと。たくさん家族に相談もしましたし、とりあえずやれるだけやろう、そうすれば絶対に光は見えてくると思っていたので、とにかくがむしゃらに頑張りました。

――俳優をやろうと思ったのは、どのタイミングなのでしょうか。

藤原　THE RAMPAGEに入る前からEXPGで演技レッスンがあったのですが、そのときは「お芝居をやりたい！」という感じではなかったんです。ただアーティストになる夢が叶って、先を見据えたときに、自分がダンス以外の武器を持つとしたら何だろうと考えて、俳優の仕事をやりたいというのはずっと思っていました。先輩方でも役者をやられている方がたくさんいますしね。そしたらTHE RAMPAGEがデビューして間もなく、「あたっくNo.1」（2017年6月）という舞台の声がかかって、俳優に初挑戦しました。

――俳優としてターニングポイントになった作品を一つ挙げるとしたら何でしょうか。

藤原　それぞれの作品に思い出が詰まっているのですが、最近で言うと今年１～３月に放映された初主演ドラマ「あらばしり」（ytv）です。プレッシャーも大きかったですし、苦戦もしたのですが、その分終わった後の達成感が大きかったです。

――俳優としてのやりがいはどういうときに感じますか。

藤原　グループと違って役者は個人でやっているので、自分一人にプレッシャーがかかるし、自分しかいないという状況。その分、成長できるし、強くなれます。だからTHE RAMPAGE以外でも輝ける場所として、役者をやり続けたいと思っています。

――俳優で得たものがグループ活動に生きる部分はありますか？

藤原　芝居の表現力はパフォーマンスと共通するので、役者をやりだしてから、感情の込め方やパフォーマンスの届け方は絶対に変わっていると思います。

――最後に改めて「世界で一番早い春」の見どころをお聞かせください。

藤原　全世代が共感できるようなシーンがたくさん盛り込まれていますし、見れば見るほど謎が深まります。僕らキャラクターと一緒に謎を解明していきながら、高校生ならではの距離感、青春を感じてほしいなと思います。

PHOTOGRAPHER：YUU TOMONO,INTERVIEWER：TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE：oya,STYLIST：takuto nakase