チームで一丸となった「デビュー20周年ライブ」ではオープニングから演出に強いこだわりを
――デビュー20周年記念のフルアルバム『REPLAY THE MAGIC』のリリースから半年以上が経過しました。作品への反響はいかがですか?
RAM RIDER ずっと待ってくださっていたファンの方々に、喜んでいただけたと思っています。前回のリリースから随分と時間が経っていますし、その間アーティストのプロデュースや楽曲提供も多かったので、初めて僕の新譜を聴いたという声もありました。シングル単体のリリースが続いていたので「アルバムを出さない男」を冗談半分で自称していましたが、とりあえず20周年の節目にお届けできてよかったです。
――リード曲はアルバムのタイトルと同様の「REPLAY THE MAGIC」です。どんな楽曲でしょうか?
RAM RIDER 同名のデビュー20周年ライブ(2024年11月に東京・WOMBLIVEで開催)に向けて作った楽曲です。タイトルの「REPLAY」には再生、リスタート、スポーツでいう再開を意味するリプレーなど様々な意味を込めてました。サウンドとしては “ピアノの音色がしっかり入った4つ打ちのハウス”のようなテイストで、キラキラしていた“あの頃のクラブ”をイメージして仕上げました。
――”あの頃のクラブ”とは、具体的にいつ頃ですか?
RAM RIDER デビューした当時の2004年頃ですかね。90年代からクラブでDJをやってきましたが、当初は、日本語の楽曲が受け入れられなかった。でも、2000年代になると少しずつ日本語を歌うのも受け入れられるようになって、クラブシーンとJ-POPが融合しはじめる時代でした。「REPLAY THE MAGIC」は結果的には英詞にしたのですが、気持ちとしては当時の雰囲気を残しています。
――2024年11月にWOMBで開催されたデビュー20周年ライブ「REPLAY THE MAGIC」も振り返ってもらいたいのですが、本番はいかがでしたか?
RAM RIDER チームの助けがなかったら、実現できなかったライブだと思います。僕はもともとクリエイターからキャリアをスタートしているので、パフォーマンスやMCでライブを引っ張るタイプではなくて。演出で魅せることでどうにかライブを作り上げているので、デビューから一緒に活動してきたVJや演出のメンバーなど、多くの方の協力があってワンマンが実現できました。チームのみんながいての「RAM RIDER」だとあらためて感じました。WOMBLIVE(東京・渋谷)を1日おさえて、リハーサルも入念にできたし、たくさんの方にアーティストとしての「RAM RIDER」を体感していただけたのも嬉しかったです。
――記念すべき周年ライブの会場となったWOMBですが、もともとゆかりがあったのでしょうか?
RAM RIDER 箱ができた頃から何度もステージに立たせていただきました。久々のワンマンライブとしては大き過ぎる会場ではありましたが、会場のLEDや広い空間をフルで活かした演出ができました。VJは自分が所属するアソビシステムで10年以上の付き合いがある滝(紘平)くんとデビュー前からのチームであるセーラーチェンソー村上くん、レーザーも初導入時から長い付き合いの武内レーザー技師にそれぞれ依頼して、みんなで相談しながら作っていきました。
――こだわりも随所に詰まっていたと思いますが、特にこだわった点はありますか?
RAM RIDER やっぱりオープニングですかね?ステージや客席側ではなくスクリーンの映像に直接レーザーを同期、投影することで、立体的な光と映像の演出を目指しました。映像とレーザーの同期は技術的に難しいので、開演ギリギリまで調整していましたが、本番ではしっかりシンクロできていたので、一瞬何が起こってるのかわからないぐらい驚いた人もいたんじゃないかと思います。セットリストも周年ライブらしく、最新曲から古い曲までさかのぼる構成にし、昔からのお客さんには懐かしく、最近知った人には新鮮な気持ちで楽しんでもらえるように心がけました。過去のライブで着用していたELワイヤーによる暗闇で光る衣装も、久々に同じチームを集めて制作しました。「初めて実物を観ました」という感想もいただきましたね。